国民年金にみる格差
たとえば、年収2000万円の自営業者も年収200万円の自営業者も、国民年金の保険料は同額です。所得に対する保険料の割合(負担割合)は大きく異なります。
受け取る年金額は確かに同じですが、所得の高い人にとっては受け取る年金額の「ありがたさ度合」は所得の低い人ほどではないため、保険料を払うことをやめてしまう場合もあるかもしれません。
働き方によって異なる年金制度
もともと、公的年金制度は自営業者は対象とはなっていませんでした。会社員は、定年になれば働くことができなくなりますが、自営業者は健康であればいつまでも働くことができるからです。また、自営業者から保険料を徴収することは、会社員のように源泉徴収できませんので、たいへん手間のかかることです。
変化する社会状況
しかし、終身雇用制が崩れつつある現在、会社員としてスタートしても途中で自営業者になったり、自営業者から会社員に転じたりと、一生のうちで職業をたびたび変えることも多くなると考えられます。
国民年金(定額保険料、定額年金)と厚生年金(所得比例)の2つの制度の加入期間の違いによって、老後の年金額は大きく異なります。つまり、職業の選択の仕方によって、受け取る年金額が大きく異なることになります。
これは家族形態にもいえます。
(2)給付率の違いはどこから?