SRI指数の成績がこれまでよかったのは?
現在すでにある何種類かのSRI指数は、TOPIXよりもパフォーマンスが良いといったデータを見かけますが、これは、おそらく、私達が積極的にその企業をこれまで評価してきた結果というよりは、そのような指数に入っている企業群は、SRIに目を向けることができるほど、財務面で余裕があった(=利益率が高かった)ので結果的にパフォーマンスがよかったというのが主な理由のような気がします。私達が、10年以上も前から社会責任を果たしている(果たそうとしている)企業を積極的に評価してきたとは思えないからです。
ただ、企業の財務内容がよければ、資金面はもちろん、企業の考え方(哲学)といった面からも余裕ができるため、不正や不祥事を起こさないシステム作りに資金を投じやすく、さらに、たとえ不正や不祥事を起こしたとしても「隠さない」という対応ができます。
このような社会責任をきちんと果たすことで、消費者や投資家の信用をより得ることができるため、競争力をさらに強め、持続的な成長が実現できた結果とも考えられます。
これから・・・
現在、企業が社会責任を果たしているかどうかを見極めようとする気運が出てきています。社会の成熟度がようやく「社会責任を果たそうとする企業をきちんと評価しようとする」レベルに達しつつあるということではないでしょうか?もし、そうだとすると、社会責任を果たしているかどうかという観点だけで選ばれた企業の株価も、長期的には値上がりが期待できるということになります。
また、一方で、私達が「消費」や「投資」の際に、社会責任を果たしている企業かどうかという観点も加えて企業を選別することによって、「より高いレベルの豊かな社会」が達成されれば、その豊かな社会からも大きな恩恵(利益)を期待できることになるでしょう。
では、実際にどんなファンドが・・・????(次回へ)
*この記事の中では「SRI(社会責任投資)」と「CSR(企業社会責任)」について明確な「線引き無し」で取扱っています。
/上野博美
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