公助の限界
これらの制度は、税金で支援する仕組みになっているため、大規模な災害が発生した時に財政負担が大きくなるという問題のほか、「給付対象となる住宅を所有している人」と「そうでない人」との間での公平性の点で問題が生じます。
つまり、住宅再建などにかかる費用は多額なのに、税金で支援する「公助」という仕組みでは、支援する金額を多額に設定することができないのです。
新制度誕生!
そこで、生まれたのが「共済(共助)」という仕組みです。兵庫県では大震災の経験をふまえ、「わが家の再建をみんなで支えあう」新しい制度を平成17年9月からスタートします。
住宅再建共済制度
これは、向こう100年間の地震を含めた自然災害による被害予測をもとに負担金と給付金を算出し、自然災害全般をカバーしようとする制度です。
具体的には、住宅を所有している人があらかじめ年間5000円の資金を出し合い、それを積み立てておき、災害の発生により半壊以上の被害を受けた住宅を再建したり購入した人は600万円、補修した人は50~200万円の共済給付金を受け取ることができるというものです
この制度は、従来の保険とは異なり、損失を補償するために給付金が支払われるのではなく、「住宅の再建や補修」に対して支払われます。そのため、既存の保険とあわせて加入することも可能になります。
詳しくは
兵庫県住宅再建共済制度
兵庫県
全国へのメッセージか?
“万が一”のダメージを軽減するための備えは、自助努力で行なっておくことが大切ですが、実際に被害に遭った時に困る(貯蓄残高が少ない)人ほど、保険などへの加入なども含めて、万が一の時のための準備が手薄になっているものと思われます。
阪神・淡路大震災という大災害を経験した県が単独でこのような制度を作ったという事実は、既存の制度だけではリスクヘッジとして不足することを物語っており、今後、全国で制度化されていくべきものなのではないでしょうか。
また、この事実をふまえて、各個人でも、転ばぬ先の杖について、あらゆる方法を考えておくことが大切です。
関連リンク
兵庫県住宅再建共済制度
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