40%近くの収益率を初心者でも上げられた理由とは?
村上ファンドが阪神電鉄株を取得し始めたのが2005年9月ごろです。そして、様々なメディアで報じられているように、(TOB価格930円で売却したとして)約4割の収益を得たと仮定します(村上Fの投資内容について正確に把握しているわけではないので、報道などで伝えられている数値を使います)。
「たった8ヶ月ほどで4割も利益が出るとは…」などというコメントがテレビ番組で飛び交っていますが、実は、この収益率はそのコメントを発している人でも投資初心者でも誰でも、簡単に実現できる程度のものだったのです…。
日本の株価指数もほぼ同じ収益率だった
05.9-06.5の村上Fの阪神株投資に限れば、その投資収益率は並の成績だった… |
2006.5.30メルマガこらむで既に発信しましたが、昨年9月1日にTOPIX始値で買い付け今年の4月の高値で売却できていたとすると、約40%の収益率になります。高値で売却できなくても、30%以上の収益は十分に確保できました。
「阪神電鉄の株価がどのくらい割安になっているかを必死に調べなくても」「阪神電鉄の株価を急騰させないように注意を払いながら買い増ししなくても」「企業価値を上げるために、阪神タイガースを上場させるなどの提案をしなくても」「東京・大阪間、もしくはシンガポール・日本間を行ったり来たりしなくても」、日本の株価指数に連動するファンドをぼ~っと持っていただけで、ほぼ同じだけの収益が出ていたことになります。
実際の企業価値よりも割安になっている株式を見つけたとしても、市場がそれを評価してくれないことには、株価は上がりません。隠れた価値を見つけ、それを利益に結びつけることはほんとうにたいへんなことなのです。
昨年から今春にかけては、たまたま日本の株式市場が堅調だったとはいえ、株価指数は日本の株式市場の平均点です。今回の事例に限って言えば(2006.6.1時点では)、手間と時間をかけても市場の平均点をさほど上回ることができなかったということになります。プロ中のプロでも、これほど市場に勝つことは難しいということなのです。