マネーの観点でどちらがお得か考えてみた
どちらがお得?
大学進学時に分かれる理系と文系の道は、その後、どう続きどう交わり、人生を作っていくのでしょうか。また、その分け方というのは、本当に意味のあることなのでしょうか。今回はマネーという観点で見てみました。
※1 この記事中の理系・文系の分け方は、はっきりと境界線を引いたものではありません。どちらの分野にも関わる学部学科や職業があり、また参考にした調査によって分け方が異なるためです。
※2 技術職=理系的な仕事、事務職(非技術職)=文系的な仕事と、便宜的に大別しています。
理系と文系、どう違う?
理系出身者の就職は、大学で身につけた知識や技術を活かせる職場はもちろん、営業や企画など、文系的な職種も選択肢に入ります。システムエンジニアなど文系出身者も多い技術職もありますが、ハイレベルな数学や化学などの知識が必要とされる分野は、理系出身者でなければ難しいでしょう。技術職の強みは「手に職」があるということ。技術に経験が加われば、たとえどんな社会の荒波をかぶろうとも「私にはこれがある!」というものを蓄えることができます。しかし、専門性が高まれば高まるほど、選択可能な企業が限られるという面もあります。
文系出身者の就職も、選択肢は幅広くあります。しかし専門性が低い知識を学んだ学生が専門性が低い職業につくということは、乱暴にいってしまえば「あなたでなくても誰でもいい」ということになります。自分ならではのウリを自分で見つけ、アピールしなくてはいけないという難しさがあるでしょう。「手に職」というイメージは少ないかもしれませんが、資格の必要な職業も多く、どの企業でも共通する分野であれば転職の際の選択肢が多い、というメリットがあります。
収入の違いは?
2014年8月に人事院が発表した「民間給与実態調査の概要」によると、大卒の技術系の仕事の初任給は19万9241円、事務系は19万4848円と、技術系がやや上回っています。しかし、課長職に就くころには事務系が逆転します。部長職になると、7万8000円の差がついています。職種別民間給与実態調査の概要 2014年8月 人事院
現状、男性よりも女性のほうが低賃金という実態があります。若いうちは事務系の職種のほうが給与が少ないのは、若い年代の事務系職種には、若い女性が大勢いるということも関係があるのかもしれません。
業種別にみてみると…
製造業と非製造業の給与を比較してみます。技術職は非製造業よりも製造業に多いと考えて(技術職といっても様々なので必ずしも当てはまりませんが)比較してみると、職種別の比較と同様に、課長職あたりから給与額の逆転がみられます。職種別民間給与実態調査の概要 2014年8月 人事院
しかし、この人事院調査のデータとは異なる結果が出ている調査があります。大変興味深く、示唆に富んだ調査ですのでご紹介します。とくに高校生の子を持つ方には、次のページの2つ目のブロックを読んで頂きたいと思います。