定期預金との違い1:元本保証の有無
満期までもっていると最初のお金が戻ってくる、利息がもらえる、というと、定期預金に似ているように見えます。大きな違いは2つあります。1つめは、定期預金は元本保証(少なくとも最初に預けた金額はきちんと戻ってくるという保証)がありますが、債券には元本保証がないということです。債券を発行した国や企業の財政があまりにも厳しくなると、利息が減ったりなくなったり、もしくは、満期時にお金が少ししか返ってこなかったり全く返ってこなかったりする恐れがあります。
これを「デフォルトリスク」「信用リスク」などといいます。デフォルトとは、「債務不履行」という意味です。国なら倒産しないから国債は安心だと思うかもしれませんが、そう遠くない昔に、アルゼンチンやロシア、トルコなどの国債がデフォルトに陥りました。ギリシャやイタリアもデフォルト寸前までいきました。債券を買うときは、発行しているところの財務状況がしっかりしているかどうかを確認する必要があります。
定期預金との違い2:売買ができるかどうか
2つめは、債券は「他人との間で売ったり買ったりして、利益を得ることができる」という点で、定期預金とは異なります(ただし、個人向け国債は債券市場での売買はできません)。定期預金の利益は利息だけですが、債券は買ったときよりも高い値段で売ることができれば、さらに利益を得ることができるのです。債券の値段は、その時々の世の中の金利動向の影響を受けて日々変わります。もちろん、売買する際の価格によっては、損失が発生することもあります。これを価格変動リスクといいます。値段がどんなふうに決まるのかは、「債券を買う人は、金利を知らなきゃ損!」をご覧下さい。金利とはどんな関係があるのかという、債券だけでなく経済を理解するために大切な法則も紹介しています。
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