「劣後債」は普通社債よりも金利が高め

債券の中には、「劣後債(れつごさい)」と呼ばれるものがあります。頻繁に発行されるわけではないものの、同じ償還期限の普通の社債と比べると金利が高めなので人気があるようです。

劣後債とはどのような債券で、どんなリスクがあるのでしょうか。詳しく解説します。

普通社債よりも信用リスクが高いため、金利も高い

企業が倒産した場合、劣後債のお金が戻ってくるのは後回し。だから金利が高めに設定されている

企業が倒産した場合、劣後債のお金が戻ってくるのは後回し。だから金利が高めに設定されている

劣後債は、企業が事業資金を集めるために発行する社債のひとつです。社債には、発行した企業が倒産すると投資したお金が返ってこないかもしれないという「信用リスク」があるのですが、劣後債は、普通の社債よりも、この信用リスクが高い社債です。

企業は、倒産した場合などには、集めたお金をできる限り返済しなくてはなりません。まっさきに返済されるのが銀行などからの借り入れや、普通の債券で集めたお金です。劣後債のお金が返ってくるのは、そのあと。普通の債券などのお金を返して、それでも余力が残っていれば、劣後債のお金も全部返ってきます。でも、余力がなかったら……。劣後債は、お金が一部または全部返ってこない可能性が、普通の債券よりも高いのです。

劣後債は、お金の支払の優先順位が低い社債。リスクが高めなので、その分、普通の社債よりも高い利率がつけられています。

信用度の高い、しっかりした企業を選ぼう

劣後債は、倒産などの事態に陥った時に損失が発生する可能性が大きいわけですから、なるべく倒産などになりそうもない、しっかりしている企業、信用度が高そうな企業を見極めることがポイントです。

しっかりした企業の劣後債であれば「株式よりはリスクが低く、普通の債券よりも金利が高い、魅力的な金融商品」といえます。最近でこそ10万円単位で買えるものも登場していますが、たいていは購入金額が百万円単位なので、誰もが気軽に買えるわけではありませんが……。

劣後債の注意点

他にも、劣後債の注意点はあります。主には次の2つです。

■繰上償還されることが多い
劣後債は、満期が来る前に繰上償還(満期より前に額面金額が返金され、そこで債券の契約期間が終了すること)されるのが一般的です(理由は会計のルールにあります。ここでは詳しい説明は省略します)。満期までの期間が8年となっていても、必ずしも8年間高い利息を受け取り続けられると決まっているわけではありません。

■普通の社債と同じリスクがある
信用リスクのほかにも、普通の社債と同じく、価格変動リスクがあります。世の中の金利が上がると、発行済みの劣後債の価格は下がります。金利が下がれば、価格は上がります。

劣後債は証券会社で買える

劣後債は、普通の社債と同じく証券会社で買えます。ただし、すべての証券会社で買えるわけでなく、債券によって取り扱う証券会社が異なります。野村証券や大和証券、SMBC日興証券のような総合証券での取り扱いが多いようです。

人気の債券はすぐに売り切れてしまうので、日頃から証券会社のホームページや日経新聞などで発行情報をチェックしておきましょう。


■直近で発行された劣後債の例

住信SBIネット銀行 第2回
期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)
利率:
当初5年間 年1.19%
以降5年間 6カ月ユーロ円LIBOR(※1)+2.15%
発行日:2013年7月30日
期間:10年
購入単位:10万円以上10万円単位
格付け:A-(日本格付研究所)
取扱金融機関:SBI証券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券
(※1)ロンドン銀行間市場における円の6カ月預金のオファード・レート

新生銀行 第5回
期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)
利率:
当初 5年間 3.59%
以降 5年間 5年物円スワップのオファード・レート(※2)+3.00%
発行日:2013年6月7日
期間:10年
購入単位:100円以上100万円単位
格付け:BBB(格付投資情報センター)
取扱金融機関:大和証券、新生証券
(※2)LIBOR(ロンドン市場において銀行間で取引される資金取引のレート)と5年にわたって交換する固定金利のこと
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