貯蓄計画と同時に考えたい保険のあり方
昔の医療保障はあまり脚光もあびておらず、死亡保障のおまけ(特約)としてひっそりとした存在でした。当時は保険金支払いの対象にならない「免責期間」が20日間や8日間が主流でした。入院保険金額も2,000円~3,000円程度が多かったです。
今でも5日以上入院した場合からなどのタイプもありますが、現在発売されている医療保険は1泊2日や日帰り入院でも保険金がもらえるものが主流です。
保険金額も入院一日あたり5,000円~15,000円程度が多いですが、保険料は比較的にリーズナブルな水準を維持しています。医療事情の変化とともに医療保険も進化しているということですね。
医療費は年々上昇をしています。過去30年で家計の医療費の値上がりは約4倍程度になっています。
終身医療保険の入院保険金額を今のお金の価値で考えると、将来の医療費の高騰に対して役不足になることがあるかもしれませんね。保険契約時に、生涯もらえる保険金額が決まる終身医療保険は、医療費や物価の上昇に弱いという側面をもっていることも知っておいて下さい。
保険を1年でも早く卒業したいなら
よく保険を契約して安心する人がいますが、保険に加入しても病気は防げません。あくまで万が一病気になった時の医療の負担を経済的にサポートするものです。医療保険では、入院した際の保険金支払対象日数は、保険商品や契約内容によって一入院当たり60日~360日などが選べます。FPとして多くの家計の保険内容を見ていますが、120日タイプがわりと多いです。
入院の際に保障してくれる日数が、多い医療保険ほど安心と思いがちですが、当然、保険料も上がっていきます。
実際に病気で何日間入院するでしょうか?厚生労働省の「患者調査」(平成17年)での平均入院日数は次のとおりです。
<主な病気の平均入院日数>
●胃の悪性新生物(がん) 34.6日
●気管や肺の悪性新生物 34.1日
●糖尿病 34.4日
●心疾患 27.8日
●脳血管疾患 101.7日
●胃や十二指腸の疾患 25.1日
医療保険の保障日数が180日や360日などと長くても、病院はそんなに長く入院させてくれないようです。入院一日あたり7,000円の保険金がもらえる医療保険の場合、がんで40日間入院しても28万円の入院保険金と手術保険金として数十万円が受け取れるというのが現実です。
保険の加入を考える前にチェックしたい、公的な医療費サポート |
そう考えると、蓄えがしっかりあれば別に高い保険料を支払い続ける必要はないということになります。病気用の貯蓄が100~200万円程度あれば、医療保険の必要性は薄れるとも考えられます。
蓄えが少ないうちは、終身タイプの医療保険より安い保険料の定期医療保険に加入しておいて、高い保険料を払ったつもりで、計画的に毎年差額相当を貯蓄していき、10~20年後には自分で蓄えたお金が医療費に対応できる水準になったら、保険をやめて卒業することもできます。
積立定期預金で貯めていくのも良いですが、医療費の高騰にも備えていくために投資信託などで毎月コツコツ貯めていくのも良いでしょう。
<関連記事>
●あなたの保険、今のままで大丈夫!?
●ママの保険って必要?
●ママの保険料は年間16,850円ぽっきり!
●大丈夫ですか?我が家の保険
財産づくりに取り組んで、豊かな人生を実現したいパパとママには必読の「ファミリーのためのマネープラン」ガイドが発行するガイドメールマガジン登録はココから