子どもたちのおこづかい事情
子どもが成長してくると、いずれは考える必要が出てくる「おこづかい」。我が子にはいくらのおこづかいが適正でしょうか?他の家庭はどのぐらいのおこづかいをあげているのでしょうか?今回はそんな子どもたちのおこづかい事情をのぞいてみます。
おこづかいの相場はいくら?【小学生編】
各家庭においては、おこづかいを子どもに定期的にあげる、必要な時にだけ渡す、おこづかいは渡さない、など方針は様々でしょう。月に1回渡す家計のおこづかい平均額を見ると、次のとおりです(※以下、データはすべて金融広報中央委員会「暮らしと金融なんでもデータ」(平成26年度)より)。■小学校低学年
- 最も多く回答された金額 500円
- 平均額 949円
- 最も多い回答の金額帯 500~700円(21.7%)
- 次に多い回答の金額帯 100~200円(17.8%)
- 最も多く回答された金額 500円
- 平均額 896円
- 最も多い回答の金額帯 500~700円(27.3%)
- 次に多い回答の金額帯 1000~1500円(19.7%)
- 最も多く回答された金額 500円
- 平均額 1087円
- 最も多い回答の金額帯 500~700円(37.6%)
- 次に多い回答の金額帯 1000~1500円(29.9%)
低中高学年のいずれも、最も多く回答されたおこづかい額は500円でした。高学年になると1000円~1500円の金額帯の回答の比率が上がってきます。
おこづかいのもらい方では、低学年では月に1回と決めてもらっているのは13.2%、時々もらうという回答は58.5%です。中学年では月に1回は34.3%、時々もらうが43.9%、高学年では月1回が52.2%、時々もらうが30.6%と、学年が上がるほど定期的なおこづかい制の比率が上がっていきます。
次に中学生・高校生のおこづかいの相場を見てみましょう。
おこづかいの相場はいくら?【中・高校生編】
中学生以上では、今使うお金(消費)と未来に使うお金(貯金)にわけて管理する能力を身につけてほしいもの
■中学生
- 最も多く回答された金額 1000円
- 平均額 2502円
- 最も多い回答の金額帯 1000~2000円(31.3%)
- 次に多い回答の金額帯 2000~3000円(21.1%)
■高校生
- 最も多く回答された金額 5000円
- 平均額 5305円
- 最も多い回答の金額帯 5000~7000円(35.3%)
- 次に多い回答の金額帯 3000~4000円(17.4%)
気になるおこづかいの使いみちは?
おこづかいを貯蓄にまわす、という小学生は意外と多いようです
■小学生(高学年)
- 1位 ゲームソフトやおもちゃ類
- 2位 お菓子やジュース
- 3位 まんが
両方を足すと約4分の3の子どもたちが貯金をしているというのもビックリです。私たち大人よりしっかりしているかもしれませんね。
■中学生
- 1位 おやつなどの飲食物
- 2位 友だちとの外食・軽食代
- 3位 友達へのプレゼント
- 1位 おやつなどの飲食物
- 2位 友だちとの外食・軽食代
- 3位 休日に遊びに行く交通費
「おこづかいはもらえて当然」と思わせないように
親子のコミュニケーションで、お金の大切さを伝えましょう
世間のおこづかい水準はあくまで平均のものです。皆さんの家庭においては、子育ての方針を踏まえて、おこづかいを渡すか渡さないか、おこづかいの水準をどうやって決めるかを考えてみてください。
おこづかいを意味もなく子どもに定期的に渡し始めると、その後も続けていくこととなりますが、子どもの側からすると「おこづかいは親から然にもらえるもの」というような、妙な権利意識が芽生えてもおかしくありません。
さらには「友だちはもっと多くのおこづかいをもらっているのだから、自分のおこづかいも増やして欲しい」、あるいは『学年が上がったのだから、おこづかいも当然増やしてもらえるもの』となってしまいます。
お金は大切なものだと子どもに実感させることが重要
金銭教育が学校教育のカリキュラムに組み入れられている欧米では、夏休みや年末年始などに、子どもたちは当たり前のように、アルバイトをしています。そして自分で稼いだお金を親に渡し、その中からおこづかいをもらいます。お金という対価は、働くことで得るものということを身をもって学びます。お金の大切さも知ることができますし、日ごろ親が自分たちを育てるために、どれだけの仕事をして給料を稼いでくれているのかも、自分自身が働くことで体験しながら、そのありがたさを感じます。
お金の大切さを学んでいる子どもたちは、使うお金と蓄えるお金のバランスを自分で考えて、物を買って消費するお金と、将来のために貯蓄して育てるお金に振り分けていくようになります。
さらに蓄えたお金をいつどのように使うのか、あるいは貯め続けるのかなどの計画を立てることも、自分自身で一生懸命に考えて実行します。
日本では小学生や中学生が、社会の一員となってアルバイトができるような環境が十分ではありません。しかし、外で働かないといけないという訳ではありません。家庭の中でも、子どもに責任をもってもらいつつ働ける場面はいくらでもあります。親としての知恵のしぼりどころですね。
10年後、20年後に未来の社会を支えていく子どもたちに、親として強く生きていくための力をつけさせてあげたいですね。
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