お布施の意味

お布施は「布を施す」と書かれていますが、その昔、インドでの逸話が元 になったと言われています。

ひとりのお坊さんがいつものように説法をしながら各家をまわっていたところ、ある貧しい家で「とてもありがたいお話をいただきましたが、我が家は貧乏なのでこのような布しか差し上げられません……。」と言って、薄汚れた布を差し出しました。お坊さんはその布を縫って継ぎはぎだらけの袈裟を作りました。これが袈裟の起源であり、お布施の元となったといわれています(お坊さんの袈裟をよく見てみてください。パッチワークのようにいくつかの布で作られています。もっとも、現代の袈裟に使う布は正絹で織られた高価なものですが)。

そもそもお布施というのは、お金だけを意味するものではなく、財施(財を施す)、法施(真理を教える)、無畏施(恐怖を取り除き安心を与える)など、見返りを求めずに施すこと。人のためにできる限りのことをするという意味なんですね。

お布施はいくら包む?

お布施はお坊さんがお経をあげる労働に対する対価ではありません。しかし「何をするにもお金が必要」という経済社会で生きている私達にとって、お布施をいくら包めば良いかやっぱり気になります。

お布施は地域やお寺、戒名(法名・法号)によって、お寺とのお付き合いの度合いなどによって異なりますので、○○万円!と明示することは避けたいのですが、あえて言うならば、通夜・葬儀をお願いする場合、25万円~100万円くらいで検討すると良いでしょう。

ちなみに、日本消費者協会(平成19年度)の調査によると、お葬式の際のお布施の平均額は次のようになっています。

  • 全国平均 549,000円
  • 北海道 542,000円
  • 東北 688,000円
  • 関東A 341,000円(茨城、栃木、群馬、千葉)
  • 関東B 684,000円(東京、神奈川、埼玉)
  • 中部A 483,000円(新潟、富山、石川、福井)
  • 中部B 597,000円(山梨、長野、岐阜、静岡、愛知)
  • 近畿 494,000円
  • 中国 417,000円
  • 四国 399,000円
  • 九州 442,000円
最近では、流通大手のイオンをはじめ、各葬儀社がお布施の目安を公開していますので、これらを参考にするのもよいでしょう。ただし、お布施はご本尊への信仰の証として施すものであり、そのおさがりを寺院護持のために僧侶が預かるものであることを念頭にいれておくこと。そうでなければ、「信仰心をお布施の額で表現してほしい」寺院側と、「葬儀のときだけとりあえずお願いしよう」と考える遺族の間で生じるギャップはいつまでたっても埋まりません。