住宅購入のお金/住宅購入と住宅ローンの基本

「フラット50」と「200年住宅」(2ページ目)

最近見かけるようになった50年ローンですが、どうやら住宅金融支援機構も50年ローンを手がける模様。「住宅ローンは50年で組む」時代が本格的にやってくるのでしょうか?

久谷 真理子

執筆者:久谷 真理子

住宅購入のお金入門ガイド

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35年から50年へ、返済期間が延びることによるメリットとデメリットを資金負担の面から考えてみましょう。

返済期間が延びることによるメリットは?

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返済期間が15年延びることによるメリットは、おもに次の2つでしょう。
1.同じ金額を借りるなら毎回の返済額が減る
2.毎回の返済額を同じにするなら借入額を増やすことができる

1.について、3,000万円のローンを35年で組んだ場合、仮に金利を3.0%とすると、毎回の返済額は115,455円。ところが、返済期間を50年にすると、毎回の返済額は96,593円になります。返済期間を15年延ばすことで、毎回返済額は2万円弱少なくなります。1回あたりの返済負担は減るため、家計にもやさしいといえるでしょう。
35年ローンの場合 毎回返済額は115,455円
50年ローンの場合 毎回返済額は96,593円

2.仮に毎月返済を落とさないとしたら、返済期間を15年延ばすことで、プラス600万円ほどの借入れが可能になります。
35年ローンの場合 借入額は3,000万円
50年ローンの場合 借入額は3,600万円

返済期間が延びることによるデメリットは?

返済期間が延びると、当然利息負担が膨らみます。上記1.の例をとると、35年ローンを組んだ場合の総返済額は、およそ4,850万円。ところが、50年ローンになると、総返済額はおよそ5,800万円に膨らみます。その差である950万円は、返済期間が15年延びたことによって増加した利息負担です。ローンを利用する立場とすれば慎重になりたいところです。

同時に注目したいのが、借入元本の残高です。35年ローンを組んだ場合、10年後の残高はおよそ2,430万円。ところが、50年ローンの場合はおよそ2,700万円となります。もう少し先の30年後の残高を見ると、35年ローンの場合はおよそ640万円なのに対して、50年ローンは1,740万円。当たり前のことですが、返済期間を延ばすほど、ローン残高の減りは遅くなりますから要注意です。

フロー消費型の社会からストック型社会への転換を目指し、資産価値のある住宅を増やしていくことは、意義のあることかもしれません。しかし、個人のレベルで、50年という気の遠くなる先までローンを払い続ける決心など簡単につくものではないでしょう。10年先のことを見通すのも難しい現代。あくまでも慎重になりたいものです。

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