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エリート会社員や医師すら脱落…世田谷・目黒の住宅に「もう普通の日本人は手が届かない」実態

東京の住宅価格高騰が止まりません。背景には国内外の富裕層による需要拡大もあると、不動産投資家・小林大祐氏は指摘します。“庶民が家を買えない時代”の実態に迫ります。(画像:PIXTA)

All About 編集部

東京の人気住宅地が「高嶺の花」に(画像出典:PIXTA)
東京の人気住宅地が「高嶺の花」に(画像:PIXTA)

東京都内の住宅価格は高騰を続け、かつては“高収入世帯なら購入可能”とされた人気エリアも、今では簡単には手が届かない存在になっています。

その背景には、海外富裕層の流入や、資産形成・相続対策として不動産需要が高まっていることもあるようです。

この記事では『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(小林大祐・著/KADOKAWA)より一部抜粋し、住宅価格高騰の現状を紹介します。

目次

東京の人気住宅地が「高嶺の花」に

東京の人気住宅地の主たる買い手だったエリート会社員や医師、経営者、共働きのパワーカップルなどにとって、もはや世田谷や目黒の住宅は手が届かない存在になった。

東京の住宅価格高騰の主な理由は、外国人の上流物件の爆買いによるトリクルダウンに伴って需要集中が起こっているからだが、高属性の日本人や、地方在住の日本人富裕層の都心不動産への需要が高まっていることも影響している。

野村総合研究所が定義する「富裕層ピラミッド」では、純金融資産保有額5億円以上が「超富裕層」、1億円以上5億円未満が「富裕層」となっており、日本国内には、2023年の時点でこの超富裕層・富裕層が約165万世帯もいるといわれている。

驚くべきことに、この超富裕層・富裕層は世帯数と金融資産額共に、推計を開始した2005年から約2倍に増加しているのだ。

画像出典:『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(小林大祐・著/KADOKAWA)
画像出典:『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(小林大祐・著/KADOKAWA)

増え続ける“富裕層マネー”の影響

この増加の理由は、アベノミクス下の株価上昇や金融緩和を活用して、株や為替の取引で、また私のように不動産で成り上がった人が増えたからだ。

こうした成り上がりは東京の不動産を購入したいという傾向が強く、都心の不動産の需要を下支えしている。

また、代々続く富裕層の不動産ニーズも、大相続時代を目前にして非常に高まっている。

不動産は、株や為替とは違い、借り入れを前提とするため、その他の資産形成手法に比較して圧倒的に相続税の圧縮にマッチしているからだ。

要するに、国内外の富裕層がこぞって東京の不動産を欲しがっているために、ディベロッパーなどの物件の供給側も不動産開発事業の生存戦略上、一部の富裕層向けの物件に注力することが主流となってしまっている。

富裕層向けに作っておけば、飛ぶように売れるので、一般庶民を相手にする必要などなくなっているわけだ。

実際、東京23区の新築マンション平均価格の推移を見てみると、2015年度には平均6000万円台が一般的だったのが、近年は過去最高を更新し続け、2025年度上半期には1億3309万円を記録している(不動産経済研究所調べ)。

これは富裕層向けの超高級物件が平均価格を押し上げている影響も大きいが、一般向けの物件も確実に上昇している。

加えて、建材価格やガソリンなどのエネルギー価格の高騰など、建築にまつわるコスト増も不動産価格上昇に拍車をかけている。

一般層が東京都内に家を持てない時代へ

一般庶民はもう、東京に住宅を買うことはできないのか。

結論から言えば、一部のそこまで人気ではないエリアを除けばすでにそうなっているし、残念ながら現在、日本の不動産市場においてこの状況が大きく変わることはないだろう。

中国人を中心とする外国人富裕層が都心だけでは飽き足らず、都心に隣接する周辺の高級住宅地にも触手を伸ばしている以上、もう普通の日本人が東京都内の人気エリアに住宅を買うのは難しいのが現実だ。

中国は経済成長によって多くの富裕層を生んだが、当の富裕層である彼らは自国の通貨や共産党体制を信用していないので、資産を凄い勢いで海外に移している。

そしてその受け皿として、日本は間違いなく中国人富裕層にとって理想的だ。

理由は、同胞がたくさん住んでいるし、中華街もあり馴染みも深い。食事は安くて美味しく、人々は親切で本国との距離も近いからだ。

一般的な日本人にとって、もう東京の不動産は間違いなく高嶺の花だ。このままいけば、日本人は地方にしか住めなくなるかもしれない。

「単身者需要」の変化が住宅市場を変えている

かつての単身者向け物件といえば、ワンルームなど画一的で機能重視の設計が主流だった。

しかし今、その常識が崩れ始めている。単身者の住まいにも、明確に“多様性”の波が押し寄せているのだ。

たとえば従来であれば、単身者向け物件のミニマムは16平米とされていた。だが最近では、8平米の超コンパクト空間に「寝られれば十分」という発想で暮らす若者も現れている。

たとえば中野坂上のような利便性の高い地域では、5万円前後の家賃でこうした狭小シェアハウスが数多く展開されており、共有のリビングやシャワー施設を備えた住まいとして人気を博している。

その一方で、「自立性」や「快適性」を重視し、1LDKの分譲マンションを購入する単身者も増えてきた。特に、パートナーに依存しない人生を選ぶおひとりさま女性が目立つ。

さらに、家を所有せずゲストハウスを転々としたり、「バンライフ(車中泊生活)」を選ぶ人々も増加している。

もはや固定の住まいに縛られる必要はなく、働く場所も暮らす場所も、個人のスタイルで決める時代が来ているのだ。

“持ち家前提”ではない時代が始まっている

このような価値観の多様化は、スマホやSNSといったテクノロジーの進化によって加速してきた。

住宅という「箱」の問題にとどまらず、ライフスタイル全体の変容が今、社会の構造を根本から揺さぶっているのだ。

こうした環境の変化は、不動産オーナーや投資家にとってはピンチでもありチャンスでもある。

変化に対応できなければ、空室や資産価値の減少というリスクに晒されるだろうが、ニッチで多様なニーズを的確に捉え、柔軟な運用ができれば、新たな市場を先取りすることも可能になるからだ。

都市か地方か、広いか狭いか、所有か非所有か。私たちが取り得る住まいの選択肢は拡大している。

この激しい変化の時代を生き抜くには、従来の常識に縛られない感度と変化を歓迎し対応する姿勢が不可欠になるだろう。

この書籍の著者:小林大祐 プロフィール
1976年生まれ。ホームコンサルティングソリューションズ株式会社代表取締役。大学卒業後、情報通信系企業に就職。関連会社解散後に親会社である富士ゼロックスに転籍。企業戦士となるが、「株式会社は株主のために存在すること」に気づき27歳の時に「兼業」で創業。「金なしコネなし知識なし」の全くのゼロから「総資産37億円」を築く。YouTubeチャンネル「不動産アニキの非常識な投資学」は登録者数10万人を超え、不動産投資を中心に、資産形成の実践的な考え方や国際情勢に対する独自の視点が注目を集めている。

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