認定司法書士の高橋さん。気さくながら、熱意あふれる回答です。 |
「司法書士」ってどんな人だろう、何をするの?と思ったことありませんか? そこで、懸命に借金整理に取り組む司法書士に、本音をインタビューしてみました。
今回は、認定司法書士の高橋雅幸さんです。
ガイド:
司法書士業務もいろいろあると思いますが、なぜ借金整理業務に力を注いでいるのですか? そのきっかけは何ですか?
高橋:
司法書士という資格は、そもそも認知度があまり高くないと思いませんか? 受験勉強をしていた頃の私自身さえ登記をする資格という認識しか持っていませんでした。
ある時たまたま借金整理について書かれた本を目にしたんですよね。最初はこういう仕事にも司法書士は関与できるんだ、くらいの認識でした。
でも、他の本にも当たっているうちに借金苦による自殺の問題などのことを知り、自分がそれらのために役立てるとしたら非常に意義があることではないかと使命感に燃えてしまいました(笑)
ガイド:
司法書士さんの業務の中でも、借金整理は大変な分野ですよね。この業務をされていて、「たいへんだ」という部分は何でしょう?
高橋:
債務整理業務で難しいのは、債権者に対する関係もさることながら、やはり依頼者との関係ですよね。
私は債務整理業務の最終的な到達点は依頼者を二度とこのような多重債務問題に陥らせないことだと考えています。そのためには依頼者本人の「意識」が何よりも大事になります。
それも他人から聞いた助言をそのまま受け入れただけではダメなのです。本人が気づき、苦しんだ末に生まれたものでなければ、手続きが終了した後の日常生活の中でやがて忘れていってしまいます。
債務を整理する手続きの前に、気持ちとか心の部分を整理する作業が重要であると考えているのですが、そのための技術も経験もまだまだ自分には不足していると思います。
ガイド:
では逆に、この業務をしていうれしいこと、よかったことなどはありますか? また、やりがいは?
高橋:
債務整理業務は「困っている人を助ける」という性質を持った仕事ですので、その人のために役立っているという実感を持てますし、その人から感謝されることで自分の存在意義を確認することもできます。それを仕事としてできるのは非常にありがたいことだと思っています。
ガイド:
話は少し変わりますが、お金の怖い面はどんなところだと思いますか?
高橋:
お金が怖いというよりも、高利の借金が怖いんですよね。そのような借り入れをするということはすでに経済的な苦境に陥っている場合が多いので、その借り入れをすることによって多重債務へのサイクルのスイッチが入る可能性がかなり高いのです。
それに連帯保証人が絡むともっと怖いです。自分や家族の生活の問題が周囲の人間関係の問題にまで拡大し、覆されてしまうおそれがあるのですから。