相次ぐ各社の貸出金利の上限下げ
各社金利を引き下げる動き。実際に金利を下げている会社を把握しよう。 |
~セゾンカード以外は、新規貸し出し分のみ適用になります。セゾンカードにおいては、新たな利用分だけではなく、現在利用中の残高に対しても新上限金利が適用されます。
今年に入ってからではなく、早くから今後の動きを見据えて変更していたカード会社もあります。例えばですが、ジャックスは1997年まで24.36%でしたがその後18%に。トヨタファイナンスも27.8%を2006年5月から18%へと上限金利を下げる変更を先行していました。
今のうちになぜ前倒しするの?
貸出金利の引き下げは施行される2年後からで良いのに、なぜ今から各社は引き下げ変更していくのでしょう?現状さえ収益が激減しているのに、さらに悪化に直結してしまいます。親切心??ズバリ、グレーゾーン金利(上限29.2%)のままでは、これから法改正が決定している今、利息の返還リスクが残ったままになってしまうからです。グレーゾーン金利部分の利息は無効で、元金へと充当されます。
この払い過ぎた利息が元金を超えたときは、借金がなくなり、“過払い金”として返金されることになります。そのような利息返還請求の長期化するリスクを、1年分でも2年分でも軽減したいと考えているのです。
つまり、上限金利を20%以下に下げておけば、変更後は新たな過払い金は発生しないからなのです。それが一つ。
もう一つは“新規顧客の獲得”のためだと思われます。考えてみてください。まだ他社が灰色金利でやっている最中に「当社は金利を下げました!」というのは、はじめに損して最終的には得することに繋がります。
「当社はお客様を大切にしたい」などの広告戦略やブランディング再構築にも、視点を変えれば役立つのです。しかも新規顧客の取り込みが増すと、“良質な顧客”の獲得にもなります。消費者金融も理由は同じ。前倒しをする狙いは、この辺りにあるようです。