お金を借りる/知っておきたい、お金を借りる最新事情

“借りられない時代”へのカウントダウン!(2ページ目)

改正貸金業法が施行されました。金利が下がる!と喜んでいて良いのでしょうか?「あれれ、私のカードが使えない」なんてことになるかもしれません。動き出した貸金業界の新しい動きを把握しておきましょう。

横山 光昭

執筆者:横山 光昭

お金を貯める体質改善ノートガイド

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日本貸金業協会の発足で自主規制ルールを設ける

“借りられない時代”へのカウントダウン!
日本貸金業協会の自主規制。借りられなくなる人が多い?自己防衛には貯蓄しかないかも。
同協会では、過剰融資を防ぐために毎月の返済総額で月収の3分の1、もしくは年収の36分の1以内に抑えるとする自主規制ルールを設けています。年収360万円の方であれば、毎月の返済は10万円以内となります(個人的にはこれでも高いとは思いますが)。

その他、協会の自主規制ルールには、新たに収入支出状況、家族構成、勤務先などを細かく聞くとか、50万円以上の借入れには年収を証明する源泉徴収票などの書類を必要となる、返済が長引くリボルビング払いに対しての決まりを設ける、融資を受ける度に郵送や電子メール、携帯電話などで返済額や返済期日を通知するなどといった様々なルールも取り込まれています。協会は加盟会員を定期的に監査し、自主規制ルールを守らない業者は、過怠金や協会を除名することもしていくようです。

弁護士やFPも加わり相談窓口を開設。広告・取立て規制も

多重債務者に向けた相談窓口も、全国47都道府県に開設すると同協会はしています。そこでは弁護士やファイナンシャルプランナー(FP)にも入ってもらい、早期解決なども図られていくようです。

また広告規制もされます。テレビCMは午前7~9時、午後5~10時は原則放送しない。ギャンブルや風俗情報の専門誌や関連するホームページへの広告も禁止する。駅前などにある屋外看板も、午前0時以降の深夜は消灯されます。

取り立てに関しても規制が強化されます。3人以上で取り立てのために自宅や職場を訪問することは禁止。電話での督促は1日に3回まで。メールや文書で一度催促した後は、3日以内に再び督促してはならない。親族の冠婚葬祭、年末年始、入院時などの取り立てはいけないなどです。

現代社会には懸念材料が山積み

改正貸金業法の施行や自主規制により、金利が下がったり、返済できないほどの融資はされなくなる、適切な貸金業者としてのコンプライアンスや取立てが保たれていくといった安心できる材料は増してきました。

しかし、そういった表面的な良さだけで、今後の全体像を判断することはできません。金利を下げるということは、貸し手側から考えると必然と貸し倒れリスクに注意しなければなりません。そのため各社は審査基準を厳格化せざるを得ません。よって“信用収縮”がなされ、借りたくても借りられなくなる人が増加します。

単に「必要以上に借りられなくなることは良いことじゃないか」というご意見もありますが、やむにやまれずお金が必要な状況、例えば病気やケガによる医療費や、突発的な葬祭のためといった正当な理由での需要に手立てがない人もいるものです。
そうなるとヤミ金融や悪徳業者に向かうことになるかもしれないという現実的な問題が懸念されます。そしてその需要に応えるためヤミ金融が裏社会で増殖してしまうのでは、借入れが適正な人はきちんとした貸金業者から、それ以外の人は見向きもされなく自分で何とかしなさいという、格差や差別化がより助長されるための改正法になってしまいます。

防衛策は貯蓄!

そのようなことにならないよう様々な方面から考慮がされていますが、これから実際に動いてみないと今後起こりえる問題をすべて予測することは難しいものです。話が飛躍してしまいますが、お金を借りることは“生きる(生活する)”という部分にまで、時にしてリンクしてしまいます。そして悪い意味ではなく、生き下手ともいえる人がいることも現実です。

これからの時代、何が一番安心して生活していくことに繋がるのか? 地味な話かもしれませんが、私たち一人ひとりがお金の大切さや怖さ、金銭感覚や知識などを身につけ、今後の生活を意識していくことが最大の防御策といえます。だからまずは少額からでも良いから、貯蓄を持つように家計状況を見て計画を立て、実行していきましょう。


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