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転職活動中も国民年金加入をお忘れなく!

会社を退職したら再就職までの間は必ず国民年金に加入を。老齢年金のためだけでなく障害年金や遺族年金にも影響が及びます。イザという時のために、年金未加入期間はなくしましょう。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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会社を退職した時には、忘れてはいけない手続きがあります。それは「健康保険」と「年金」。中でも年金は、老後の年金額だけではなくイザという時のためにも大切なもの。今回は、退職後の国民年金についてご紹介します。
 

退職後は国民年金に加入を

退職時には色々と手続きが必要。特に年金は忘れずに

退職時には色々と手続きが必要。特に年金は忘れずに

会社員や公務員である時には、第2号被保険者として「厚生年金」に加入していました。 ところが、退職をすると第2号被保険者ではなくなることに。 すぐに転職する場合は、新しい会社で厚生年金に加入することになるので問題ありません。

しばらく転職活動をするという人は年金未加入となるので、第1号被保険者として「国民年金」に加入する必要があります。公的年金の国民年金は20歳以上の人は全員加入するべきものですからね。
 

年金未加入の期間が老後の生活を変える

国民年金の老齢年金を受給するためには、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が10年以上必要です。つまり、国民年金や厚生年金に10年間以上保険料を納めている(もしくは免除申請している)と、老後に年金を受け取ることができるということです。

ということは、保険料を9年と11ヵ月払っていたとしても、老齢年金の受給資格がないということ。あと1ヵ月保険料を納めていたら年金を受け取ることができたのに! と後悔することになります。年金の加入期間は1ヵ月でもバカにできませんね。
 

障害や万が一の時にも影響が

また、年金は老後のためだけのものではありません。国民年金には「障害基礎年金」もありますよ。事故やケガなどで障害が残った時に障害年金が支給されます。

この年金を受け取ることができる条件が「保険料納付済期間 が加入期間の3分の2以上(保険料納付済期間は保険料免除期間を含む)」ということ。また特例として、初診日の月の前々月までの1年間に保険料の滞納期間がなければ障害基礎年金が受け取れます(令和8年3月31日まで)。

なので、転職活動中に保険未加入の期間があり、その数ヵ月後に障害になってしまった時、障害基礎年金が受け取れなくなる可能性があります。他にも「遺族年金」があり、残された遺族に年金が支払われる場合もあります。この支給条件も障害年金と同じ。1ヵ月でも未加入の期間がないようにしたいですね。

とはいっても、国民年金の保険料は月額16,410円(2019年4月分から2020年3月分まで)。毎月保険料を払うのは大変という時に、保険料免除制度がありますよ。
 

保険料納付が大変なら免除制度を

国民年金は老後のためだけでなく、障害になった時には遺族年金が、万が一の時には遺族年金がある。イザという時のためにも加入を

国民年金は老後のためだけでなく、障害になった時には遺族年金が、万が一の時には遺族年金がある。イザという時のためにも加入を


国民年金の保険料は月額16,410円(2019年4月分から2020年3月分まで、令和元年度)。この支払いが大変な時は、保険料免除制度を利用しましょう。それぞれの保険料と将来受け取れる老齢年金額、所得基準(本人・世帯主・配偶者の所得合計額)は以下の通りです。

■全額免除制度
・保険料の全額(16,410円)が免除
・年金額:保険料を全額納付した場合の2分の1(平成21年3月分までは3分の1)
・所得基準:前年所得が以下の範囲内であること
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
例:単身世帯の場合57万円まで

■一部免除制度
●4分の1納付(保険料額 4,100円:令和元年度)
・年金額:保険料を全額納付した場合の年金額の5/8(平成21年3月分までは1/2)
・所得制限:前年所得が以下の範囲内
 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

●2分の1納付(保険料額 8,210円:令和元年度)
・年金額:保険料を全額納付した場合の年金額の6/8(平成21年3月分までは2/3)
・所得制限:前年所得が以下の範囲内
 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

●4分の3納付(保険料額 12,310円:令和元年度)
・年金額:保険料を全額納付した場合の年金額の7/8(平成21年3月分までは5/6)
・所得制限:前年所得が以下の範囲内
 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
※「扶養親族等控除額」「社会保険料控除額等」は、年末調整・確定申告で申告した金額

保険料は全額または一部を免除としながらも、年金加入期間にはカウントし、老齢年金の年金額の計算にも優遇して計算しようということです。
 

親と同居で免除不可でも、納付猶予制度を

上の免除申請の所得制限は、本人・世帯主・配偶者の所得合計額で判断されます。となると、親と同居している場合などは、本人の所得が低くても、親の所得のために免除制度が受けられないことになります。この場合は、納付特例制度を受けましょう。

20歳から50歳未満(平成28年6月までは30歳未満)で、本人・配偶者の前年所得が

(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

以下であれば、保険料納付が猶予されます。この猶予は、年金加入期間にカウントされますが、将来の老齢年金額には反映されません。障害年金や遺族年金の受給は可能なので、対象者は手続きをきちんとしておきましょう。
 

失業等による特例免除も

上で説明したように、国民年金の保険料免除制度を受けるには所得制限があります。でも、退職をした人は退職前の所得で審査されるため、多くの人が免除を受けることができません。退職後でお金がないのに、特例を受けられないのはつらいですね。

そんな人のために「失業等による特例免除」があります。保険料の納付が免除となったり、保険料の納付が猶予となる場合があります。
 

10年以内に追納を

免除や猶予された年金保険料ですが、経済的に安定すれば、保険料をあとからでも納付(追納)しましょう。この追納は10年以内なら可能です。将来の老齢年金額も増えます。また、社会保険料を納付することによって、社会保険料控除を受けることができるので所得税や住民税が安くなります。

消えた年金問題など社会問題になっている「年金」ですが、加入していなくて困ることはたくさんあります。きちんと加入をしてはじめて、障害年金や遺族年金、老齢年金をもらえるものです。 これからの年金加入空白期間を作らないようにしたいものです。


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