定年まで同じ会社で勤める意識が薄れてきており終身雇用制度が薄れてきた今、転職をする人がこれからも増えていくことでしょう。転職活動をするにあたってお金の中でも特に気になるのが、「生活費」。前の会社を退職後に就職活動をする人にとっての生活費は死活問題です。
 
求職者給付 求職手当

会社退職後に転職活動をする時、一番心配なのが生活費。お金の心配をすることなく、転職活動に専念できるように雇用保険の内容はチェック! 求職者手当は失業給付だけじゃありません
 

そんな時に頼りになるのが雇用保険。一般的には、雇用保険の失業給付が広く知れ渡っていますが、他にもいくつかの給付があります。

また雇用保険以外にも、自治体などが転職者に対して奨励金などを出すところもあります。 転職をするなら、これらの制度をチェックしておきましょう。
   

雇用保険には失業給付以外にも給付事業が

<雇用保険の主な制度> 求職手当、求職者給付


雇用保険の主な制度。一般的に失業保険といわれるのが「基本手当」。その他にも就職促進や教育訓練、雇用継続のための給付制度がある

まずは、雇用保険のおさらいからしておきましょう。雇用保険は政府が管掌する強制保険制度です。労働者を雇用する事業は、原則として強制的に加入していますので、労働者は、基本的にはこの雇用保険に加入していることになります(短期雇用者、日雇労働者は一部のみ加入)。

この雇用保険は、労働者が失業した時にお金の心配をすることなく就職活動ができるようにと給付される「失業給付(基本手当)」や、「再就職手当」や「就業手当」などの「就職促進手当」、指定の教育を受けた時に給付される「教育訓練給付金」などの制度があります。

また、育児や介護で仕事を休業する時に給付される「育児休業給付」や「介護休業給付」もこの雇用保険の制度です。

このように雇用保険は、労働者が失業状態になった時に、安心して就職活動ができたり、就業のための教育受講の援助を受けたり、育児や介護のために安心して休業できるというものです。
 

失業給付は支給日・日数のチェックを

転職前にチェック!雇用保険の失業給付」でもご紹介したように、失業給付は、離職理由在職中の賃金勤務期間年齢によって支給条件が変わってきます。これらを自分自身に当てはめて把握しておくことが大切です。

まず、自己都合での退職では、退職後2カ月は給付が受けられません(5年間で2回まで。それ以外は3カ月)。この2カ月の間に再就職先を決めた方が有利であることがわかりますね。また、勤務期間によっても支給日数が変わってきます。自己都合で退職した場合、支給日数は勤務期間が1年以上10年未満で90日、20年未満で120日、20年以上で150日というところです。

失業給付を受けるには、かなり長い期間にわたって失業状態でないといけません。普通はそんなにゆっくり就職活動ができませんよね。でも、安心してください。この失業手当以外にも支給されるものがありますよ。
 

職業訓練には受講手当、通所手当が

求職手当、求職者給付

転職を機に新しいスキルを身につけたい人は、ハローワークに相談しよう。職業訓練を受けられる場合も……



雇用保険では失業給付の他に「公共職業訓練」の受講が認められることもあります。これはハローワークで行う「職業相談」の中で、再就職をするために公共職業訓練等を受講することが必要であると認められた場合に、その訓練の受講をすすめられるのです。

この公共職業訓練は、入学金や受講料は無料です。とはいっても、ハローワークからの推薦が必要です。選考されるためには、「この職業につきたいからこういうスキルを身につけたい」というはっきりとした意思を見せることが大切です。

分野は、介護、情報処理、溶接、木工、自動車整備、経理、医療事務など多岐にわたっています。これらの内容は、ハローワークによって変わってきます。希望しているコースがあるかどうか、管轄のハローワークで問い合わせてくださいね。

ハローワークからの指示で訓練を受講する場合は、基本手当が支給されている間は技能就職手当の「受講手当」「通所手当」が支給されます。「受講手当」として1日500円(上限額2万円)、交通費として「通所手当」(月額最高4万2500円) が支給されます。
 

再就職手当は就職祝い?

失業給付の受給資格がある人が、仕事が決まった場合は「就職促進手当」として「再就職手当」や「就業手当」が支給される場合があります。

「再就職手当」は、正社員など安定した職業に就いた場合に支給されます。ただし失業給付の支給残日数が、所定給付日数の3分の1以上ないと支給されません。失業保険の給付を多く残したまま就職した人に対する“就職祝い”のようなものです。

「就業手当」は 、再就職手当の支給の対象とはならないアルバイトなどの臨時雇用などで就業した場合に支給されます。支給残日数の条件が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上となっています。 

肝心の支給額は、以下の通りです。

■再就職手当
  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の2以上
    所定給付日数の支給残日数×70%×基本手当日額(*1)
  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
    所定給付日数の支給残日数×60%×基本手当日額(*1) 

    *1 基本手当日額の上限:6195円(60歳以上65歳未満は5013円)(令和2年8月1日現在)

■就業手当
 就業日×30%×基本手当日額(*2)

  *2 支給額上限(1日あたり)1858円(60歳以上65歳未満は1503円)(令和2年8月1日現在)

教育訓練給付金・広域就職活動費などもチェック

雇用保険は、失業給付や再就職手当の他にも「教育訓練給付金」や「広域就職活動費」などの支給も行っています。教育訓練給付は「転職前に利用を! 教育訓練給付制度」でも紹介したように、指定された講座(通学、通信講座など)を受講し修了すると、受講費の一部が支給されるというものです。

この教育訓練には、一般教育訓練、より専門的な内容となる専門実践教育訓練があります。一般教育訓練給付金は、3年以上(初めての受給の場合は1年以上)加入が条件となり、10万円を上限に受講費の20%が支給されます。専門実践教育訓練給付金は、3年以上(初めての受給の場合は2年以上)加入が条件となり、120万円を上限に受講費の50%が支給されます。退職後1年以内でも使えます。

また「転職活動にも出張手当があった!?」で紹介したように、 ハローワークからの紹介で遠方の地域で面接などの求職活動を行う時に支給される「広域就職活動費」というのもあります。移動にかかった交通費や場合によっては宿泊費も支給されるというもので、近隣では就職先が見つからないといった人にはうれしい制度ですね。


このように、雇用保険は再就職を促進するためにさまざまなサポートを行っています。転職活動は、これからの生活を決める大切な活動です。これらのお金をうまく利用して、悔いのないように活動をしてください。

※それぞれ詳細な支給要件があるため、詳しくはハローワークなどでお問い合わせください。

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