加入した方が良さそうだけど、そんなに必要なものなのかなあ? |
宣伝が溢れているので、「加入しようかな」と思った方も多いのではないでしょうか?実際に、これから生命保険に加入しようと思っている方に、「医療保険に入った方がいいの?」と聞かれることがよくあります。なぜ今、これほど医療保険が注目されているのか一緒にみていきましょう。
医療特約から医療保険へ
医療保険は、ケガや病気にかかる医療費をカバーするための保険で、もともとは、生命保険の「特約」として位置づけられていました。それが現在では、生命保険の単体商品として販売されています。以前は、終身保険の上に定期保険を上乗せした「定期付終身保険」が生命保険の定番商品でしたが、その「定期付終身保険」に、入院給付金や手術給付金がある「入院特約」を付けて、医療保障を確保していました。その頃は、老後は、年金と公的な老人医療保険があれば十分という時代でしたので、「定期付終身保険」+「入院特約」だけで何の問題もありませんでした。
ところが、「入院特約」は、単体の医療保険よりも保険料は安いのですが、主契約と呼ばれる「定期付終身保険」の保険料の支払いが満了すると、同時に「医療特約」も満了になってしまい、医療保険が本当に必要になる年齢に保障が消滅しているということが起きてしまいます。例えば、保険料の支払い満了が55歳であれば、55歳で医療保障もなくなってしまうということです。消滅しないように、「入院特約」を延長することもできますが、その場合は、それ以降の特約保険料を一括で前納しなければならず、しかも延長できる年齢の上限が80歳までと定められているものがほとんどです。
つまり、終身の医療保障を確保しようとすると、「入院特約」の保障では満足できないため、単体の医療保険の必要性が高まっているのです。
ますます増える自己負担!
どんどん値上げされている自己負担額。4割になる日もそう遠くないかも。 |
病院で治療を受けたときに、皆さんが窓口で支払うお金は医療費全体の3割です。私が働き始めた1990年は1割でした。それが1997年に2割負担になり、そしてさらに2003年には3割負担と、ジワジワと値上げされているのです。さらに、これから高齢者が増えると、もっと負担が増えることが予想されています。
また、平均寿命が延びて老後の人生が長くなっていることや、年金が少なくなっていること、医療保険制度の改正で高齢者も会社員並みの負担を強いられるようになること……などを考えると、私たちが老後を迎えるときには、今よりももっと負担が大きくなるのは目に見えています。
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