教育ローンは、公的ローンと民間のローンを比較して選ぼう
教育資金が十分に貯められなかったときの助けになる教育ローン。どう活用すべきでしょう? <目次>最後の手段は教育ローン
進学が決まったけれど、どうしても大学の入学金などの納入金が捻出できない。でも、進学はあきらめたくない……。そんなときは、まず奨学金から検討します。
教育ローンは「親の借金」となり、老後を圧迫することにもなりかねないためです。昔と違って退職金制度がなくなる傾向にあり、公的年金の給付水準もダウンしていくことを考えれば、いくら教育が「聖域」であっても、ない袖は振ることはできません。
【参照】教育資金不足に直面したときの5つの方法
ただし、次のような場合は教育ローンを検討せざるを得ません。
- 年収制限により奨学金を利用できない
- まとまった学費の支払いなどで不足する
- 奨学金ではタイミング的に間に合わない
公的教育ローン
公的な教育ローン制度としては、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」が挙げられます。その特徴は、無担保なのに金利は低めで、しかも固定金利で借りられる点、そして、在学中に元金返済が据え置かれ、利息のみの返済で済む点などです。学生1人につき350万円まで(海外留学は450万円まで)利用できます。国の教育ローン(教育一般貸付)
- 融資限度額 1人350万円以内(海外留学の場合は450万円以内)
- 金利 固定1.78%(保証料別、母子家庭、父子家庭等は1.38%。2019年1月15日時点)
- 返済期間 15年以内(交通遺児や母子家庭、低所得世帯等は18年以内)
- 対象校 高校、短大、大学、大学院、高専、専修・各種学校、外国の高校・短大・大学・大学院など
- 在学中は元金据え置きで利息のみの返済も可能(返済期間には含まれる)
- 年収制限あり(夫婦の収入合算)
民間の教育ローン
一方、民間の教育ローンは銀行、労働金庫、JAバンク、信販会社、保険会社等、多くの金融機関が扱っています。無担保と有担保の教育ローンがあり、有担保ローンのほうが金利は低めなことが多いようです。金融機関によっては固定金利と変動金利を選択できます。
また、銀行などでは取引状況などに応じた金利の優遇サービスがあったり、子どもが就職した後に子ども自身が返済を引き継ぐ「親子リレー返済」が利用できるところもあります。また、一部に在学中は金利返済で済むものも。入学シーズンになると金利優遇キャンペーンが行われるのも特徴です。
公的ローンの対象は高校以上ですが、民間ローンは幼稚園入園から利用できるものもあります。早くからの利用は、家計管理上は避けるべきです、注意してください。
借入限度額や、融資対象者の条件、金利、返済期間など金融機関によって異なるので、いくつかを比較して選びましょう。民間の教育ローンの検索にはイー・ローンの検索機能が便利です。
老後に影響が残らない範囲で!
教育資金が不足したとき、まずは奨学金を優先的に考えましょう。しかし、教育ローンを利用せざるを得ないときは、老後資金とのバランスを考えて、老後に影響が残らない範囲にしましょう。親が借りて、卒業後に子どもから少額でもいいので返してもらうのも一つの方法です。最も重要なことは、早くから準備を進めておくことです。
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