医療保険の貯蓄性は相対的に低い
お金が増える医療保険があると良いのにね
これだけの低金利時代に運用してお金を増やすことは、保険会社にとっても容易くありません。しかも別に給付金の支払いにも備えなければならないので、加入者から受取る保険料以上の額を将来返すことはとても難しいのが現状です。
貯蓄性のある医療保険の現状
お金が増えるかどうかは別として、貯蓄性のある医療保険は主に2つのタイプに分かれます。1.還付給付金を受取るタイプ
加入してから一定期間(20~30年程度)後に生存していれば還付給付金を受取ることができます。還付給付金の額は支払った保険料相当額ですが、それまでの間に入院給付金や手術給付金などを受取っていたら、その分は差し引かれます。例えば支払った保険料が500万円で、受取った入院・手術給付金額などが50万円なら還付給付金額は450万円になります。
ここまでであればお金は増えませんが、このタイプの終身保障であれば、還付給付金を受取った後も保障が継続されます。その後、入院給付金などを受取る機会があれば、支払った保険料以上のお金を受取れる(あくまで計算上の話で病気やケガによって当然体は痛みます)ことになります。
ただ、大きな注意点があります。還付給付金を受取る前に解約したり死亡したりすると、受取れる解約返戻金や死亡保険金は支払った保険料を大きく下回ってしまいます。その為、還付給付金を受取るまで「解約しない」「死なない」自信のある人に向いた保険と言えます。
2.解約返戻金(または死亡保険金)を受取るタイプ
終身の医療保険に死亡保障が付いているのが特徴で、終身の死亡保険などと同様に加入から期間が経過していくと、解約返戻金が徐々に増加していきます。例えば、30歳の人が保障期間を終身にして保険料払込期間を60歳までのような設定で加入すると、40歳位から数十年間は解約返戻率が60%を超えています。
お金が増えるような返戻率には全然届きませんが、ポイントとして、1回の入院で保障される限度日数や保険料の払い込み方法を変えることで、返戻率を更に上げることは可能です。加入年齢や性別によって返戻率は異なりますが、条件が整えば100%を超える(お金が増える)場合もあります。
このタイプの医療保険は、解約せずに死亡してしまった場合でも解約返戻金と同程度の死亡保険金を受取れるのが、還付給付金タイプの医療保険と大きく異なる部分です。また、加入期間中に病気やケガをして入院給付金や手術給付金を受取っても解約返戻金や死亡保険金が減ることはありません。例えば加入期間中に入院給付金と手術給付金を100万円受取ったとしても解約返戻金や死亡保険金が100万円減額されるようなことはありません。