医療保険/医療保険の保障内容と保障額の決め方

先進医療の保障は必要なのか?

今では多くの医療保険やがん保険に付加されるようになった、先進医療保障。そもそも先進医療とはどんな医療なのでしょうか? 先進医療の概要と、先進医療に対する備えについて考えてみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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先進医療保障に関する保険商品が増加

先進医療保障の設定が用意されている医療保険やがん保険が随分と増えました。最先端な医療技術は健康保険が適用されず、治療費の自己負担が大きくなることもあって、先進医療に関する保険商品が用意されているわけですが、保険料は高いのでしょうか?誰にでも必要な保障なのでしょうか?

今回は、先進医療の概要と先進医療に対する備えについて考えてみました。

先進医療とは何?

先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度で最先端の医療技術をもちいた療養等であり、いくつかの特徴があります。

■特徴1:先進医療部分の治療費は全額自己負担

健康保険が適用されず、先進医療にかかわる費用は全額患者負担となるので、一般の保険治療に比べて負担が大きくなります。具体的な額は、医療の種類や医療機関によって異なりますが、特に高額と言われているのが陽子線治療と重粒子線治療です。各病院の治療費(先進医療部分)は下記の通りです。

<陽子線治療の費用(先進医療部分)>
陽子線治療の費用

陽子線治療の費用

<重粒子線治療の費用(先進医療部分)>
重粒子線治療の費用

重粒子線治療の費用


※治療費は2013年12月に各病院のホームページを調査したもの

■特徴2:先進医療技術の種類は変動する


個々の医療技術は、将来的には健康保険が適用される可能性もあり、その時は先進医療から外れます。

先進医療は、将来保険給付の対象にするべきかどうかについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養であり、有効性や安全性が確認できれば健康保険の適用になります。また医療技術の進歩により、評価が必要な医療技術が新たにでてきたら、先進医療に加えるので、技術数や内容等は固定していません。

■特徴3:先進医療の実施医療機関は指定されている

先進医療を実施する医療機関は医療技術ごとに定められています。先進医療は、保険給付の対象にするべきかどうかの評価をするため、医療機関へ定期的な報告を求めています。また医療技術ごとの施設基準を設定していることもあり、特定の医療機関でしか治療を受けることはできません。

例えば、がん治療の選択肢の一つとして注目されている陽子線治療は先に記載の8病院、重粒子線治療は4病院に限られています(2013年12月現在)。

※陽子線治療とは、放射線の一種である陽子線を病巣に照射するがんの治療方法、重粒子線治療とは、放射線の一種である重粒子線(炭素イオン)を病巣に照射するがんの治療方法のことです。共に身体的負担が軽いことから、状態に問題がなければ通院治療が可能となっています。

■特徴4:先進医療は保険治療との併用が可能

先進医療では健康保険が適用される治療との併用が認められています。先進医療部分は全額患者負担になりますが、保険治療と共通する診察や検査などについては保険給付されるので、患者は一部自己負担(3割など)で済み、経済的負担を抑えることができます。

先進医療の内容は厚生労働省の『先進医療の概要について』をもとに記載しています。詳細については厚生労働省のホームページで確認して下さい。

先進医療の保障は必要?続きは次のページ>>>

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