TEAMレバプラ×AllABout プロ絶賛!食のプロたちの「こだわり」
その日最高の一杯を“処方”する
心を癒すカクテルは
お客様との会話から
生まれます
いま注目を集めているバーテンダーの一人
シャツ・タイ・ベストではなく、着物に身を包み、静かにシェーカーを振る。一杯のカクテルをつくるための動きには一切の無駄がなく、ひとつひとつの所作が美しい。グラスに注がれたほのかに赤いカクテルには、扇のひとあおぎでレモンの香りをまとわせる。
『KAWAHORI〜かはほり〜』——梅酒や「ゆかり®」を使い、和のテイストをふんだんに取り入れた珠玉の一杯。このカクテルを生み出したのは、銀座「八悦丸」でバーテンダーを務める、櫻井将人さん。2016年2月に開催された「バカルディ レガシー カクテルコンペティション 2016」の日本大会において、櫻井さんの『KAWAHORI〜かはほり〜』が優勝に輝き、4月には日本代表として世界大会に出場されました。 いま日本で注目を集めるバーテンダーの一人である櫻井さんに、カクテルやバーの魅力について語っていただきました。
一流バーテンダーとの出会いが変えた人生
櫻井さんがバーテンダーを志すようになったのは学生時代。仕事や人生などさまざまな悩みを抱えていたとき、バーテンダーの方が相談に乗ってくれて、アドバイスをもらったことがきっかけだそうです。
「当時、お酒にはほとんど興味がありませんでしたが、お客様にお酒を出すだけではなく、ときには相談に乗ったり、会話でお客様を楽しませたりするバーテンダーという職業がすごく素敵に思えたのです。それからは、いつかバーテンダーになったときに役立つだろうと考えて、学生の頃からワインを勉強してソムリエの資格を取り、フレンチレストランやイタリアンの店でアルバイトをしていました。もちろん、カクテルの勉強も。大学の授業中でも、教科書ではなくカクテルのレシピばかり見ていました。おかげでバーテンダーとして就職するときには、スタンダードカクテルのレシピはひと通り頭に入っていました」
お客様に合わせてカクテルを“処方”する
櫻井さんがバーテンダーとして一番大切にしていることは、店を訪れたお客様との会話。その人の口に合うカクテルをつくるためにも、何気ない会話がとても重要なのだそうです。
「どんなに見事なカクテルをつくる技術があっても、お客様の口に合うカクテルをつくれなければバーテンダーとはいえません。会話の中には、お客様の好みを知るヒントがたくさんあります。好きな料理をお尋ねするだけでなく、その日のお召しものや時計、アクセサリーなどからも、その方の趣味趣向が見えてくるんです。例えば、スーツを着こなし、ビジネス街で働いているような女性の場合は、甘めのカクテルよりドライなものを好む傾向が高かったり。これも経験を重ねることで、わかってくることですね」
櫻井さんは、カクテルを出すことを「処方する」と表現します。会話を重ねて相手を知り、その人に合わせたカクテルを調合する。その会話は、言ってみればカウンセリングのようなものかもしれません。
「処方という言葉は、先輩のバーテンダーがよく使う言葉なんです。『酒は百薬の長』とも言われていますし、先輩から教わったのは『体が壊れたら病院に行くけど、心が壊れたときはバーに行けば治してもらえる、と思っていただけるようになれ』ということでした。カウンターに座ってバーテンダーと会話し、心が癒されて、お店を後にする。そんな時間を提供できるよう、努めています」
和の心を忘れずに、他国の文化を吸収する
さて、「KAWAORI〜かはほり〜」を手に、4月に日本代表として世界大会に出場した櫻井さん。その大会を通じて、どのようなことを感じたのでしょうか。
「フランスやドイツなど、自国の歴史を大切にされているバーテンダーの方は、日本のように歴史を持っている国をすごくリスペクトしています。世界大会で出した『KAWAHORI〜かはほり〜』では、赤紫蘇を乾燥させたゆかり®を使っていますが、その素材を知らない方が多く、皆が興味津々で質問してきましたし、『試してみたいから分けてくれ』と何度も頼まれました。自国の文化を大切にしながらも、他国の文化にも敬意を払って、勉強する。そうした彼らの姿勢は見習うべきだと感じました。また、『君の国はどういうところなんだい?』という質問もたくさん受け、これまでずっと和の素材を使ったカクテルをつくり続けてきましたが、今以上に日本の文化のことも掘り下げて知らなければいけない、とあらためて思いましたね」
初心者でも気軽にカクテルを楽しめるバーへ
バーテンダーとして第一線で働き続け、豊富なキャリアを積んできた櫻井さんですが、まだまだ自分は一人前ではないと語ります。今でも、時間があるときには他店に足を運び、カクテルを勉強しているのだとか。そんな櫻井さんがおすすめするバーを紹介していだきました。
「それこそ数多くありますが、初めての方でも行きやすいのは渋谷の『EL CALVADOR』と、虎ノ門ヒルズのアンダーズ東京にある『ROOFTOP BAR』ですね。どちらも、お客様のお口に合うカクテルを出すというスタイルなので、十分にリラックスしながらカクテルを楽しめます。
『EL CALVADOR』は、新宿京王プラザホテルで長く働かれていたバーテンダーの方が渋谷に出したお店で、出てくるカクテルがすべておいしく、特に世界共通のスタンダードカクテルがオススメです。その中でもラムを使った『ダイキリ』は、ぜひ召し上がっていただきたい一杯ですね。
虎ノ門ヒルズにある『ROOFTOP BAR』は、メインでカウンターに立っている二人のバーテンダーとよくカクテル談義を交わす仲なのですが、彼らはクリエイティビティーに溢れ、とても面白いカクテルをつくります。このお店を訪れた際には、『今の時期にあった旬のカクテルをください』とか『とっておきの一杯を』などと伝えれば、かなり手の込んだカクテルに出会えます」
現代バーテンディングの最終形態を愉しむなら
すでにカクテルの楽しみを知っている“通”の方にオススメするとしたら、どこでしょうか?
「銀座にはそういったバーが無数にありますが、あえて銀座以外から挙げるとすれば、渋谷の『石の華』ですね。カクテルの長い歴史において、現代バーテンディングといわれるスタイルの最終形態が、このお店だと思っています。バーテンダーの石垣忍さんはとにかくすごい方で、スタンダードカクテルから最先端のカクテルまですべて網羅していて、技術がとても高く、カクテルをつくるスピードも群を抜いています。手数が多いモヒートをつくる場合も、通常なら2〜3分かかるところが1分も経たないうちに出てきて、毎回お店に行くたびに勉強させてもらっています」
初心者でもカクテルを楽しめる2つの店と、その道のプロも尊敬するバーテンダーが立つお店。どちらもぜひ行ってみたいですね! バーというとちょっと敷居が高いと感じる方もいるかもしれませんが、会話を楽しみながら、心を癒してくれるカクテルを味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか?
「食のプロ」が紹介する名店まとめ
EL CALVADOR(渋谷)
渋谷駅から徒歩約7分、円山町にあるオーセンティックバー。古い絵などが飾られた落ち着いた雰囲気の店内で、クラシックなスタンダードカクテルからフレッシュフルーツ、ハーブ類を使ったカクテルまで多彩な味が楽しめます。
https://www.facebook.com/elcarvador/
ROOFTOP BAR(虎ノ門)
虎ノ門ヒルズの最上階52Fにあり、東京湾やお台場などの夜景が一望できるお洒落なバー。プレミアムティーや季節のフルーツをベースにしたオリジナルカクテルはクリエイティビティーに溢れ、何度も足を運びたくなるおいしさです。
http://andaztokyodining.com
石の華(渋谷)
渋谷にあるオーセンティックバー。オーナーバーテンダーの石垣忍さんはコンクールで世界一に輝いたこともある経歴の持ち主で、その卓越した技術でつくられるカクテルはどれも絶品。静かで大人の雰囲気漂う名店でぜひ格別な一杯を。
http://ishinohana.com
ハウスウェルネスフーズ株式会社
掲載期間:2016年6月30日~2016年8月31日【PR】