ホームシアター/ホームシアター関連情報

写真を撮るように「生録音」しよう!(3ページ目)

ボイスレコーダーのような手軽さで、96kHz/24bitの超高音質録音ができる、ソニー『PCM-D1』を試用。 写真を撮るように「生録音」が新しい趣味になるかも?!

鴻池 賢三

執筆者:鴻池 賢三

オーディオ・ビジュアルガイド

操作は簡単、でも録音は難しい?!

屋外では、風の音を避けるのに一苦労だが、付属の風防を装着すると、かなり軽減される。

録音操作は説明に及ばない程簡単ですが、上手く録音するにはそれなりの経験が重要です。 例えば、録音レベルの調整。 できるだけ感度を上げて録音しておくほうが、繊細かつダイナミックで良い音が録音できますが、突然大きな音がすると、音が割れてしまうケースもでてきます。 

慣れないうちは、「リミッター」を活用すると良いでしょう。 『PCM-D1』に搭載のデジタルリミッターは、録音時に20dB小さくした音も平行して録音しており、音が割れてしまうような、過大な音声入力が有った場合、後からその部分だけ、20dB小さくして録音していた音声と継ぎ目無く入れ替えるという、デジタル録音ならではの工夫がなされています。 

また、感度が良いため、熟練しないと、空調や屋外で、「ゴォーッ」という風切り音を強く録音してしまいます。 付属の風防を装着する事は勿論、慣れない間は、低音をカットする「200Hz HPF」(パイパスフィルター)機能を活用すると随分助かります。 

 

ここはちょっと不満

マイク部分は、前後方向に可動式となっている。 可動式にそれほど意味は無いように思えるのだが・・・

メモリータイプの特性を活かし、最高峰の感度を誇る録音機と言いながらも、マイクの角度調整機構に「遊び」があり、大きく動かすと、「カチャカチャ」音がするのは、コンセプト相反するように感じます。(録音中に、大きく動かす事は無いと思いますが・・・) 

また、録音中に録音レベルやヘッドホンのボリューム操作を行うと、高感度が故に、手が本体に触れる音がビックリするくらい大きな音で録音されてしまいます。 マイクが一体型であるならば、ボリューム類はリモコンで操作できると良いでしょう。

録音した96kHz/24bitの音声を保存して楽しむには、データをパソコンに取り込む事になりますが、お手持ちのパソコンが96kHz/24bitに対応し、相応のサウンドシステムが無いと、音質の良さを最大限に引き出す事はできません。 また、ご家庭のオーディオ装置で楽しみたい場合、付属のソフトで簡単な編集と、音楽CDの作成もできますが、音声の品質はこの時点で、CDの規格である44.1kHz/16bitにグレードダウンしてしまいます。

折角の高音質録音ですし、20万円という価格からも、96kHz/24bitのままDVD-VideoやDVD-Audio形式でディスクに残せるようなソフトを添付させて欲しいところです。 

* 96kHz/24bitのままDVD-Video形式で残す方法やソフトの紹介は、オールアバウト、DTM、藤本健氏の記事、「24bit/96kHzをそのまま記録する」で詳しく紹介されています。

 

さいごに

『PCM-D1』は、マイク内蔵に加え、コンパクトサイズでバッテリー駆動も可能と、携帯性にも優れており、「生録音」が初めてのユーザーにも扱い易いという点で、特筆に値します。 心に残る風景や、面白い被写体を見つけて残す「カメラ」が趣味として存在するように、「気になる音」を自ら気軽に録音する「生録音」が新たな楽しみになるかも知れません。

筆者も録音しているうちにどんどん興味が増してきて、写真撮影旅行ならぬ、音声録音旅行に出掛けたいと思った程です。 例えば、20kHz以上の倍音成分が含まれるホーミーの録音に、『PCM-D1』を携えてモンゴルに行く・・・なんていうのは、とても贅沢で憧れますね。 

また、森林と言えども、都市近郊での録音はどうしても雑音を拾ってしまいます。 自分の足で、飛行機や車、人など、人工の音が全く無い秘境に赴くには、相当な苦労が予想されますが、100%天然の音を集めたときの満足感は、それ以上に違いないでしょう。

【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で人気のホームシアターを見るAmazon で人気のホームシアターを見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます