労務管理

カフェや電車でのPC業務、情報漏洩のリスクは? “スタバでMac”を広げていいのはフリーランスだけ?

リモートワークが活発になった昨今、これまで以上にカフェや電車でPC作業をしている人をよく見かけますが、情報漏洩のリスクを考えたことはあるでしょうか? 社外でのPC作業の注意点を解説します。

本田 和盛

執筆者:本田 和盛

企業の人材採用ガイド

スタバでMacを広げて作業する人

カフェや電車でのPC作業、注意点は?(出典元:Farknot Architect / Shutterstock.com)

リモートワークが活発になった昨今、これまで以上にカフェや電車でPC作業をしている人をよく見かけます。でも、隣の人に画面をのぞき見されたり、PCを置き忘れてしまったりすることで情報漏洩してしまうリスクもありそうです。カフェや電車での業務において、秘密保持義務などに違反することにはならないのか、社外でのPC作業の注意点を解説します。
 

Q. 社外でのPC業務はどこまで認められますか? 情報漏洩の責任は誰が取る?

カフェや電車でPC作業している人をよく見かけますが、どんな仕事をしているのでしょうか? 隣の人との距離も近く、会社の漏れてはいけない情報をのぞかれるリスクを考えると、非常に限られた業務しかできないように思います。

“スタバでMac”を広げている人は全員、フリーランスのノマドワーカーなのでしょうか?
 

A. 社外でのPC業務の範囲は会社が決めますが、情報漏洩した場合の責任は社員が取ることになります

■社外でのPC業務の範囲は、会社のテレワーク規定などで決まる
フリーランスのノマドワーカーでない限り、雇用者であれば就業場所や社外での労働時間帯、対象業務(見積もり作成など)などは会社の就業規則やテレワーク規定などで規制されます。

リモートワークが認められていても、就業場所が「自宅のみ」となっていれば、その他の場所でのPC業務はできません。情報漏洩や会社パソコンの紛失、盗難といった実害が出ていなくとも、指定場所以外での就労は労働契約違反となり、軽い懲戒処分(戒告やけん責)の対象となります。

■情報漏洩の責任は社員本人が取ることに
社員は会社と労働契約を締結することで、職務専念義務や秘密保持義務といった付随義務を課せられます。社外でのPC業務については、会社も、サーバーへのアクセス制限や営業・個人情報など機密性の高い情報をPC端末に保存させないシステムを導入するなどセキュリティ対策を講じますが、社員の過失で重大な情報が漏洩した場合は、社員の責任となり重い懲戒処分(降格、解雇など)が避けられません。

社外で使うPCについては、のぞき見防止フィルムを貼る、周囲に人がいない場所を選んで作業する、トイレに行くときはPCをシャットダウンするなどの対策を講じることが無難です。

「カフェで仕事ってなんだかかっこいいからやってみたい」と思う人もいるかもしれませんが、実際に行う際は以上のことをよく確認してからにしましょう。
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