マネジメント

丸亀製麺「うどんにカエル混入騒動」の教訓。危機管理において絶対にやってはいけないこと

先日、丸亀製麺がテイクアウト用の商品にカエルが混入していたと発表。事件発覚の発端は、当該商品の購入者によるTwitterへの投稿でした。SNSなど個人の情報発信力が高まっている今、企業の危機管理において重要なこととは。

大関 暁夫

執筆者:大関 暁夫

組織マネジメントガイド

先日、うどんチェーン丸亀製麺が販売するテイクアウト用商品「丸亀シェイクうどん(ピリ辛担々サラダうどん)」にカエルが混入していた、という事件が世間を騒がせました。
持ち帰り用商品にカエルが混入していたと発表した丸亀製麺

持ち帰り用商品にカエルが混入していたと発表した丸亀製麺

事件発覚の発端は、当該商品の購入者によるTwitterへの投稿。食べかけのうどんが入ったカップの中に、緑色のカエルが入っている写真と弱ったカエルが動いている動画がアップされたのです。この衝撃的な投稿は、一般の利用者によって即刻拡散され、メディアも当該ツイートに取材の申し出をするなどして、あっという間に大きな報道に至ったのでした。

ツイートには投稿者の自作自演を疑う声も多く見受けられましたが、投稿の翌日、丸亀製麺は「管轄保健所に指導を仰いだ結果、原材料(野菜加工工場)由来の混入と判断した」()と経緯を説明し公式サイトで謝罪。事件は一応の決着をみましたが、飲食業である同社は大きなダメージを被ることとなったのです。

今回の一件はなぜこのような展開になってしまったのか、SNSなど個人の情報発信力が高まっている今、顧客からのクレームに対する企業の対応のあり方などに一石を投じることになったともいえそうです。
 

問題は対応の甘さ

うどん

画像はイメージ

今回の経緯を投稿者のツイートおよび丸亀製麺の公式サイトから読み解いてみると、以下のようなことが分かります。

本件当事者が商品を購入し、底にカエルを発見して動画を撮影したのでしょう。投稿者によれば、クレームを入れた後に販売店は約3時間店を閉めたものの、夕食の時間帯には営業を再開し当該メニューも取り扱いをしたとのことでした。彼はこれを知り、丸亀製麺のトラブル対応の甘さを問題視し、再発を懸念して翌日SNSにあげた、ということのようです。

第一の問題点は、店舗の初動にありそうです。クレームに対して最初どのように対応したのか詳細は定かではありませんが、いわゆるアイドルタイムである午後の約3時間店舗を休止したものの夕刻にはフルメニューで営業を再開したということは、対応は店舗レベルでの判断だったのではないかと思われます。型通りのおわびと説明はしたのかもしれませんが、しかし十分な原因究明することなく通常営業を続けたことに、投稿者は自分が受けた衝撃とのギャップに問題を感じ、結果として投稿したということなのでしょう。

第二の問題点は、丸亀製麺本部の対応の遅さにあります。というのは、丸亀製麺の謝罪コメントは事件から2日後に出されているのです。すなわち同社が謝罪コメントを出したのが、Twitterでの大騒ぎからさらに1日後なのです。この間、「カエル入りうどん」の投稿はリツイートなどで拡散されつつ、さまざまな憶測によるコメントが付され、騒ぎは雪だるま式に大きくなってしまいました。投稿者への批判投稿もあったので丸亀製麺への一者集中砲火ではなかったものの、音無し姿勢を続けたことでほぼ丸一日いわゆる「書き得」状態になってしまい、よりマイナスイメージが強くなってしまったといえます。

では危機管理の観点からは、企業はどのような対応を準備し、また事件発生時にどのように行動すべきなのでしょうか。

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