企業のIT活用

クラウドソーシングで上手に発注するポイント(2ページ目)

通常のアウトソーシングでも言えることですが、発注時に最も大事なことは、要望の明確化です。プロジェクト方式を中心に、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)の観点をふまえ、3つの方式別に発注時のポイントをまとめました。併せて、クラウドソーシングの場合は、顔の見えない相手に仕事をお願いし、基本的にはオンライン上ですべての取引が完結することになりますので、受注者選考や発注後の注意点もお伝えします。

長谷川 渉

執筆者:長谷川 渉

企業のIT活用ガイド

受注者選考のポイント(プロジェクト方式)

プロジェクト方式においては、受注者の決定がプロジェクトのスタートになります。受注者の実績や評価が公開されているサイトでは、過去の受注案件や発注者からの評価、受注者側の得意分野といった情報は、もちろん参考になるでしょう。ただし、必ずしも安価に大量に受注した実績を持つ企業(個人)がいいとは限りません。的を射た提案が複数出てくるなど、実際にやり取りをした「実感」で信頼できるかどうかを判断することをおすすめします。

例えば、「ユーザビリティ上、ここはこうしたほうがいいのでは」「こういうやり方も可能です」といった提案が提示されることによって、発注側が見えていなかったニーズを発見できたり、ビジネスが改善されるきっかけになることもあります。

顔が見えないからこそ、人となりが伝わってくることも

顔が見えないからこそ、人となりが伝わってくることも

メールの文面や、企画書などの提示物の見やすさ・分かりやすさからも、対応は真摯か、案件に対してどのくらい力を入れてくれているか、適しているかを見ることができます。価格競争になりがちなクラウドソーシングですが、コストだけでなく、今後のビジネスにおいて選択肢が広がるような関係性の構築を意識することも、大切な視点ではないでしょうか。

また、発注の規模や範囲が大きい場合は、一番肝心な要件定義(仕様決め)部分を任せるプロジェクトマネジャーを募集し、その人にその後の発注を任せる方法もあります。その際、成果物ごとに区切って別々に発注してもらうようにすれば、リスク分散にもなります。

発注後のポイント

クラウドソーシングの場合、顔の見えない相手に仕事をお願いし、基本的にはオンライン上で取引が完結することになります。納期間際で連絡が取れなくなった、といったことのないよう、クラウドソーシングサービス上やメールアドレスだけでなく、念のため、複数の連絡手段を確保しておきましょう。

また、特に初めての取引先の場合、週次で進捗状況を報告してもらう、作業途中のデータを共有してもらうなど、スケジュールや成果物の方向性をチェックしながらプロジェクトを進められればベストです。

以上のようなポイントに注意しながら、上手にクラウドソーシングサービスを活用しましょう。
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