食と健康/旬・季節の食事の食べ方・レシピ

梅仕事の季節到来! 梅の有効成分を引き出すコツは?(2ページ目)

6月は梅が出回る季節。古くから梅は、手当法や兵糧等に使われ、その薬効を活用されてきました。近年明らかにされてきた梅の機能性や、有効成分を生かす使い方等をご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

家庭でも簡単に有効成分を生かす方法

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梅酒や梅ジュースなど、いろいろな加工品を作る時に、一度冷凍してから作ると、成分が出やすくなります。

梅酒やウメジュースなどを仕込む際に、ひと手間をプラスするだけで、色調や有機酸、ポリフェノール含量を高めることができます。

そのひと手間とは、原料の梅を一度冷凍すること。果肉細胞が壊れて、皮に日々が入り、エキスが出やすくなるのではないかと考えられています。

和歌山県のサイト「梅酒の機能性を高めるための加工方法」によると、通常の梅酒の作り方は、砂糖とともにアルコールに漬けますが、砂糖の量が多いほど、クエン酸、リンゴ酸、ポリフェノールの抽出量が多くなります。梅1kgに対して砂糖添加量0.8kgで漬けた場合(冷凍せずに)と、0.4kg(冷凍したもの)とは、成分の抽出量や褐色度はほぼ同じと報告されています。

また種由来の香りは、冷凍した果実の梅酒は強くなりました。つまり、冷凍すれば砂糖の量を控えて作っても、同じくらいの有効成分が得られるということです。

ただし、梅酒を造った後の保存期間が長いのであれば、添加する砂糖量は、多い方が日持ちします。梅酒だけでなく、梅ジュースでも同様に冷凍してから使うとよいでしょう。

その際には、水洗いして軸をとった後、しっかり水分をふきとって冷凍すること。中まで完全に凍ることがポイントなので、1日24時間は冷凍庫にいれておきます。青梅でも、完熟梅でもOk。

ガイドも、梅干しや梅ジュースを作ったり、また完熟梅を使った「さし酢」(長野県の料理研究家 横山タカ子さんが考案)を仕込みます。「さし酢」は、砂糖と塩、酢に梅を漬けるだけですが、梅の上品な香りが楽しめ、酢の物やお寿司、南蛮漬けなどが簡単にできるので、とても重宝します。

「さし酢」の作り方に、ご興味のある方は、ガイドのブログでご紹介しています。

梅で注意していただきたことは、生のままの青梅にはアミグダリンなどの青酸配糖体が含まれるので、生食しないようにしてください。

参考/
・ウメ(健康食品の有効性・安全性情報)
・梅酒の機能性成分を高めるための加工方法(和歌山県)
・機能性成分を高めるための家庭用埋め加工用マニュアル(和歌山県)
・ウメ中のフェノール性化合物(果樹試験研究推進協議会)
・日本農業新聞
・その他

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