涼やかなのどごしを楽しむ白茶(2ページ目)

白茶の魅力

銀色に輝くふわふわの産毛に包まれた新芽は、お湯の中で次第にふっくらと元の姿を現します。白毫銀針は、茶葉を覆う銀色に輝く産毛、針を思わせる細長い形状から「シルバーニードル」とも呼ばれ、欧米でも人気のあるお茶。もやがかかったように淡く色づいたお湯の中で上下に揺れ動く茶葉の姿は、見る人の気持ちを穏やかにしてくれそうです。

良いお茶は、澄みきった水色をしているといわれますが、白茶は、水面にキラキラと輝く産毛の美しさも鑑賞ポイントのひとつです。独特の毫香といわれる奥ゆかしい繊細な香りと、ほんのりとやさしい甘みが涼やかなのどごしとなって、カラダを潤してくれます。体の中に溜まった余分な熱をとってくれるお茶として、中国では暑い地域で好まれている他、子供の急な発熱に水分補給と解熱作用を期待して飲んでいる家庭も見られます。

強い香りもなく、刺激も少ない白茶は、少し元気がないときでも飲みやすいお茶です。軽やかで清々しい味わいながらも、ポリフェノールやビタミン、ミネラルなども豊富に含み、細胞の老化防止に役立つとされる抗酸化作用は緑茶の3倍ともいわれ、近年ではコスメ業界でも注目されるようになりました。

まだまだ研究途中ではありますが、白茶に含まれる様々な成分が解明されるにつれ、新陳代謝の向上、美肌など、多くの期待がふくらむお茶のひとつでもあります。昔から「不老不死のお茶」といわれ献上茶にもなっていた歴史を持つ理由も、徐々に解明されていきそうです。