増えている9月病
夏バテが長引いている人は、9月病になっているのかもしれません
日本では、春からのストレスがたまった上に、蒸し暑い夏に体力を消耗して心身に不調が出ることを、9月病と呼んでいます。また、まとまった時間がある夏休みに、今の環境や将来の姿を考えて不安になることも、9月病の1つのタイプでしょう。
9月病の症状としては、5月病と同じく抑うつや無気力、疲労感、不安感、焦りなどがあります。睡眠に関しては、うつ状態からくる不眠や過眠が現れます。秋の初めに寝つきが悪くなったり、朝早くから目覚めてしまったりするのは、9月病の前触れかもしれません。早めに対処して、うつ病や適応障害といった本当の病気になる前に、なんとかしたいものです。
眠る前にはリラックスを
紅葉狩りなど、楽しい旅行の計画を立てるのも良いでしょう
ただし、いくら好きなこととはいえ、興奮したり集中し過ぎたりすることは逆効果なので、注意が必要です。また、38~40度のぬるめのお風呂に20~30分入ると、心身ともにリラックスして寝つきが良くなります。
寝床についてもまだストレスを感じるようなら、世界保健機関(WHO)が勧めるリラックスするための呼吸法をしましょう。まず、3秒間カウントしながらゆっくり鼻から息を吸い、おなかを膨らませます。次に、3秒間カウントしながらゆっくり鼻から息を吐きます。息を吐き終わったら、そこで3秒間、呼吸を止めましょう。この呼吸を5分間、繰り返して、最後に息を吐きながら「リラックス」と自分に言い聞かせてください。
悩むより考えて問題を解決
頭の使い方を少し変えてみましょう
追想法のやり方は簡単です。まず、枕元にメモ帳を用意します。寝床に入ったら、今、問題になっていることの枠組みを考えて、どのように解決したいかをはっきりさせます。それだけで、眠っている間に記憶が整理され、新しいアイデアが浮かびやすくなります。目覚めたときに浮かんだアイデアは、忘れないうちにメモしておきましょう。
休日は寝過ぎない・夜更かししない
太陽の光を浴びると、目覚めやすくなります
とはいえ、休日に眠りすぎると逆効果です。平日の睡眠不足をとり戻そうとして、いつまでも布団の中にいても、質の悪い睡眠が続くだけで疲労が回復しません。睡眠と覚醒は振り子のようなものなので、ダラダラ眠っていては目覚めてからも頭がスキッとせず、充実した休日を過ごせないのです。
休日でも、平日の起床時刻+2時間以内に寝床を出ましょう。いったん起きて活動しても眠気が強ければ、仮眠や昼寝をとり、夜は平日よりも少し早めに眠ると、次の1週間をがんばれます。睡眠のリズムは早い時間へはずらしにくいので、休日に夜更かしや朝寝坊をしていると、月曜日の朝がとてもつらくなります。
トリプトファンでうつ気分を追い払う
朝食をとれないときは、牛乳だけでも飲みましょう
トリプトファンは、ヒトの体内で作れない必須アミノ酸の一つです。サプリメントでとると健康被害が起こることがあるので、要注意です。トリプトファンは牛乳や乳製品、豆・豆製品、バナナ、アボカド、肉類、スジコ、タラコに比較的多く含まれているので、これらからとってください。朝食をとる習慣がない人は、バナナと牛乳から始めるのがお勧めです。
面白いことに目を覚ましてくれるセロトニンは、夕方から夜になると睡眠ホルモン・メラトニンに変わります。朝食にトリプトファンを多くとると、グッスリ眠れて目覚めが良くなり、日中の気分も落ち着くので、一石二鳥といえます。
【関連サイト】
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