不眠・睡眠障害の種類

更新日:2009年11月12日

働く人の睡眠が危ない!? 快眠で能率アップを目指せ

仕事が終わらないので残業をしなくてはいけない⇒睡眠時間が取れない⇒睡眠不足で頭がよく働かず能率が悪い⇒仕事が定時に終わらない⇒今日も残業だ……いっそ今夜はグッスリ眠って、こんな悪循環を断ち切りましょう!

残業が増えると睡眠時間が犠牲になる

残業続きで、眠れていないのでは?

残業続きで、眠れていないのでは?

仕事のために眠る時間を削っている人が、本当に多くいます。ある調査によると、睡眠時間5時間未満の人が、首都圏に勤務するホワイトカラー全体の4%、都内の銀行員では15%もいます。

また、ホワイトカラーの男性で、日中に強い眠気を感じている人の割合は、IT 関連業で11.3%、建設業では16.8%という報告もあります。

都会だけでなく地方の労働者も、睡眠に問題を抱えています。包括的な睡眠の評価で、首都圏勤務のホワイトカラーのうち30~45%の人が睡眠に不満があり、富山県の自治体勤務の男性ホワイトカラーでも20%が眠りに満足していません。

時間外の労働時間が増えると、その分、睡眠時間が削られていきます。週40時間勤務で残業がない人は、睡眠を平均7.3時間とっています。これが、残業時間が1ヶ月に80時間、つまり1日あたり3.5時間では、睡眠時間が平均6時間に減ってしまいます。さらに、残業時間が1ヶ月に100時間、つまり1日あたり4.5時間になると、睡眠時間は5時間しかありません。

睡眠時間と健康、どちらが大事?

時間外労働が月に100時間、または直前の2~6か月間の平均で月80時間を超えると、健康障害のリスクが急激に高まります。

たとえば、7~8時間睡眠の人に比べて、睡眠時間が5時間以下の人は糖尿病の発症リスクが2.5倍に、睡眠時間が6時間でも1.6倍にアップします。これは、忙しくて睡眠不足になった人でも、不眠症のために眠れない人でも、同じ結果でした。また、徹夜すると翌日の血圧が1日中、10mmHgも高いままになってしまいます。夜更かしして睡眠時間を3~4時間に削っただけでも、翌日の血圧が上がってしまうので、もともと高血圧がある人は要注意です。

睡眠不足は、精神の状態にも大きな影響を与えます。不眠症患者の20%はうつ症状を持ち、うつ病患者の70%には不眠が伴います。また、不眠を治療せずほっておくと、不眠のないグループに比べて、うつ病の発生頻度が40倍にもなります。一方、不眠をきちんと治療すればうつ病になる確率が、不眠のないグループとほぼ同じレベルの1.6倍にまで改善します。

残念なことに最近は、過労死や過労自殺が増えています。これらの人々が亡くなる前の状況として、「眠りたいのに眠れない、眠りたいけど眠っていられない」という特徴があります。あなた自身が感じたり、あなたの周りの人がこのようなことを訴えていたら、早めに精神科医を受診することを強くお勧めします。
 

残業中はほろ酔い状態? 

通常の勤務時間であれば、いくらかの波はありますが、さほど仕事の能率が落ちることはありません。しかし、朝、目覚めてから13時間たつと、作業能率が低下し始めます。17時間以上起きていると作業能率は、血中アルコール濃度が0.05%と同じレベルになってしまいます。これは自動車を運転していれば、「酒気帯び運転」と判定されるほどのアルコール濃度です。こんな状態で仕事するくらいなら、さっさと眠って、翌朝早く起きて仕事したほうがよほど効率的ですね。

長く起きていると、ミスも目立って増えてきます。2交代制の看護師を対象とした調査では、12.5時間以上の勤務をしているグループでは、医療ミスの確率が8.5時間未満の勤務群の3倍以上になることが分かりました。これに時間外労働が加わると、時間外労働をしなかったグループのさらに3倍以上もミスしてしまいます。患者さんの命が危険にさらされないために、対策が必要です。

寝不足が続くと、当然、居眠りも増えてきます。睡眠時間が4時間では、1日中、とても眠気が強い状態が続き、緊張が緩むと簡単に居眠りしてしまいます。さらに徹夜明けでは、目を閉じれば数分以内に眠ってしまうことがほぼ確実です。このような状態で、自動車を運転したり危険な作業を行ったりすれば、大きな事故を起こしかねません。
 
次のページでは、しっかり働くためにぜひ覚えておいていただきたち、睡眠のコツをご紹介します。
 

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この記事の担当ガイド

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坪田 聡

日本医師会、日本睡眠学会、日本コーチ協会所属。ビジネス・コーチと医師という2つの仕事を活かし、行動計…

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