睡眠薬について(処方せん薬)
眠れない悩み、とても辛いですよね。眠れない理由によって、解決方法が色々あると思いますが、ここでは処方せんが必要な睡眠薬について、ご紹介します。睡眠薬は症状にあったものを使いましょう。
※なお、薬局、ドラッグストアで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)として、睡眠改善薬が売られています。(成分名:ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン薬))
まず、眠れない理由について簡単に触れてみます。
- 眠る環境が変わったり、高齢になることで起こる不眠
- 精神的なストレスなどによる不眠
- 病気が関係する不眠 (例えば むずむず足(レストレスレッグス)症候群、体の痛みや、アトピー性皮膚炎などのかゆみ、咳、トイレが近くて起きてしまうなどによる不眠)
- アルコールによる不眠
- 薬の副作用などによる不眠
- 睡眠時無呼吸性症候群
不眠のタイプ
上記をふまえて、不眠のタイプは以下の4つに分けられます。- 入眠障害……なかなか寝付けない。寝付きが悪い
- 中途覚醒……寝れても、夜中に目が覚めてしまう。さらにそこから寝付けない
- 早朝覚醒……朝早く、まだ起きる時間ではないのに眼が覚めてしまう
- 熟眠障害……ぐっすり眠れた感じがしない
睡眠薬の種類
睡眠薬には、その作用時間の違いから超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分けられます。■ 超短時間型 (括弧内は成分名)
- ゾルピデム(マイスリー)(15~60)
- ゾピクロン(アモバン)(15~30)
- トリアゾラム(ハルシオン)(20~30)
- ブロチゾラム(レンドルミン)(15~30)
- ロルメタザパム(ロラメット、エバミール)(15~30)
- リルマザホン(リスミー)(30~60)
- フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)(30)
- ニトラゼパム(ベンザリン、ネルボン)(15~45)
- エスタゾラム(ユーロジン)(15~30)
- クアゼパム(ドラール)(15~60)
- フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)(15)
睡眠薬の正しい使い方
症状や基礎疾患などから医師が判断し異なることもありますが、一般的には、以下のように用いられます。■ 超短時間型、短時間型
- 慢性的ではなく、一過性に不眠を感じる
- なかなか寝付けない、寝付きが悪い
■ 中間型、長時間型
- 寝ても途中で目が覚めてしまう、一度眼が覚めると目がさえてしまいなかなか寝付けない
- 早朝に目が覚めてしまい、寝たいのになかなか寝付けない
- ぐっすり眠れない 寝た気がしない
睡眠薬服用時の注意事項・副作用
飲んで少し経っても眠くないからといって、もう1錠飲んだり、お酒を飲んだりすることは絶対に避けてください。徐々に眠くなるのではなく、30分ぐらいで突然眠くなることもあります。さらに、薬が効いてからは記憶があいまいになることもありますので、服用したらすぐに寝てくださいね。睡眠薬を長期間服用して、自己判断で突然中止することは避けてください。逆に不眠が悪化したり、不安の症状などが現れる事があります。医師の指示に従い、徐々に薬を減らしていきましょう。
※クアゼパム(ドラール)は、血中濃度が上がり過ぎる事がありますので、食後の服用は避けて空腹時に飲んでください。
その他、副作用として、のどが渇いたり、ふらつき、めまい、だるさ、血圧への影響などがあります。おかしいなと感じたり、副作用が酷く現れた場合には、直ぐに医師に相談してくださいね。
睡眠薬は、症状に合わせて医師の指示に従い適切に服用することが肝心です。不明な事、不安な事がありましたら医師や薬剤師に相談してみてくださいね。
参考資料
- 治療薬 UP-TO-DATE2011 メディカルレビュー社