不眠・睡眠障害/睡眠薬・睡眠改善薬・睡眠導入剤

睡眠薬(処方せん薬)の種類・効果・副作用

睡眠薬は効果時間によっていくつかの種類に分けられます。快適な睡眠のために、自身の不眠のタイプにあった薬を飲むことが大切です。病院で処方される主な睡眠薬の種類、注意点などをご紹介します。

三上 彰貴子

執筆者:三上 彰貴子

薬剤師 / 薬ガイド

睡眠薬について(処方せん薬)

眠れない悩み、とても辛いですよね。眠れない理由によって、解決方法が色々あると思いますが、ここでは処方せんが必要な睡眠薬について、ご紹介します。
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睡眠薬は症状にあったものを使いましょう。



※なお、薬局、ドラッグストアで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)として、睡眠改善薬が売られています。(成分名:ジフェンヒドラミン塩酸塩(抗ヒスタミン薬))

まず、眠れない理由について簡単に触れてみます。
  • 眠る環境が変わったり、高齢になることで起こる不眠
  • 精神的なストレスなどによる不眠
  • 病気が関係する不眠 (例えば むずむず足(レストレスレッグス)症候群、体の痛みや、アトピー性皮膚炎などのかゆみ、咳、トイレが近くて起きてしまうなどによる不眠)
  • アルコールによる不眠
  • 薬の副作用などによる不眠
  • 睡眠時無呼吸性症候群
逆に、眠れているような気がするが、いくら寝ても眠気が取れない、朝起きれない、だるい・疲れやすいというケースもあります。眠れているのに眠い、だるいという症状の場合は、また別の疾患等が考えられる場合がありますので、医師に相談しましょう。 

不眠のタイプ

上記をふまえて、不眠のタイプは以下の4つに分けられます。
  • 入眠障害……なかなか寝付けない。寝付きが悪い
  • 中途覚醒……寝れても、夜中に目が覚めてしまう。さらにそこから寝付けない
  • 早朝覚醒……朝早く、まだ起きる時間ではないのに眼が覚めてしまう
  • 熟眠障害……ぐっすり眠れた感じがしない
この4つの症状は、1つだけではなく組み合わさって起きることもあります。

睡眠薬の種類

睡眠薬には、その作用時間の違いから超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分けられます。

■ 超短時間型 (括弧内は成分名)
  • ゾルピデム(マイスリー)(15~60)
  • ゾピクロン(アモバン)(15~30)
  • トリアゾラム(ハルシオン)(20~30)
■ 短時間型
  • ブロチゾラム(レンドルミン)(15~30)
  • ロルメタザパム(ロラメット、エバミール)(15~30)
  • リルマザホン(リスミー)(30~60)
■ 中時間型
  • フルニトラゼパム(ロヒプノール、サイレース)(30)
  • ニトラゼパム(ベンザリン、ネルボン)(15~45)
  • エスタゾラム(ユーロジン)(15~30)
■ 長時間型
  • クアゼパム(ドラール)(15~60)
  • フルラゼパム(ダルメート、ベノジール)(15)

睡眠薬の正しい使い方

症状や基礎疾患などから医師が判断し異なることもありますが、一般的には、以下のように用いられます。

■ 超短時間型、短時間型 
  • 慢性的ではなく、一過性に不眠を感じる
  • なかなか寝付けない、寝付きが悪い
効果が短いので、寝始めの時に効果があり、3~4時間ぐらいで効果が和らぐので、目覚めが良いという特徴もあるようです。

■ 中間型、長時間型
  • 寝ても途中で目が覚めてしまう、一度眼が覚めると目がさえてしまいなかなか寝付けない
  • 早朝に目が覚めてしまい、寝たいのになかなか寝付けない
  • ぐっすり眠れない 寝た気がしない
効果が長めなので、短時間型を使って朝方に目が覚めてしまう人などは、こちらに変更する場合もあります。睡眠時間が短いと、起きるのが辛い、起きてもボーっとしてしまう人もいるようです。

睡眠薬服用時の注意事項・副作用

飲んで少し経っても眠くないからといって、もう1錠飲んだり、お酒を飲んだりすることは絶対に避けてください。徐々に眠くなるのではなく、30分ぐらいで突然眠くなることもあります。さらに、薬が効いてからは記憶があいまいになることもありますので、服用したらすぐに寝てくださいね。

睡眠薬を長期間服用して、自己判断で突然中止することは避けてください。逆に不眠が悪化したり、不安の症状などが現れる事があります。医師の指示に従い、徐々に薬を減らしていきましょう。

※クアゼパム(ドラール)は、血中濃度が上がり過ぎる事がありますので、食後の服用は避けて空腹時に飲んでください。

その他、副作用として、のどが渇いたり、ふらつき、めまい、だるさ、血圧への影響などがあります。おかしいなと感じたり、副作用が酷く現れた場合には、直ぐに医師に相談してくださいね。

睡眠薬は、症状に合わせて医師の指示に従い適切に服用することが肝心です。不明な事、不安な事がありましたら医師や薬剤師に相談してみてくださいね。

参考資料
  • 治療薬 UP-TO-DATE2011 メディカルレビュー社
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
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