パン/パン業界情報、イベント

第5回メープルスイーツコンテスト(3ページ目)

プロの菓子職人、パン職人、料理人の技術で良質なメープルスイーツの新しい可能性を広げ、カナダ・ケベック州限定採取のメープルシロップとメープルシュガーの日本への普及を目指すことを目的としたコンテストが今年も開催されました。最終審査に残った8作品と表彰式をレポートします。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド


特別賞 高倉美香さん(日本菓子専門学校)


ケイクメイプルランベルセ

Cake Maple Renverser( ケイク メイプル ランベルセ)

上位が接戦だったので、特別に設けられた審査員特別賞は、洋菓子部門から、日本菓子専門学校の高倉美香さんの「Cake Maple Renverser (ケイクメイプルランベルセ)」。
審査員の藤生さんに「新しいテクニック」と評された高倉さんの技は、焼成後にアップサイドダウンして、こんがりした底(ランベルセ)をトップにしたお菓子。しっとりしたケーク、こんがりしたクランブル、カリカリまで焦がしたヌガー、の3種類のメープル生地が味わえるところがポイントです。

その他の入賞作品

左上:「Maple Twin Maple」松本郁広さん(株式会社東京ポンパドウル池袋店) 右上:「Stollen Quebec」津田宣季さん(株式会社神戸屋) 左下:「メープルシュトレン」西村健さん(株式会社牧リヨンセレブ西葛西店)

左上:「Maple Twin Maple( メープルツインメープル)」松本郁広さん(株式会社東京ポンパドウル池袋店) 右上:「Stollen Quebec(シュトレン ケベック)」津田宜季さん(株式会社神戸屋) 左下:「Maple-Stollen( メープルシュトレン)」西村健さん(株式会社牧リヨンセレブ西葛西店)


その他の入賞者をご紹介します。
パン部門では、ポンパドウル池袋店の松本郁広さん、神戸屋の津田宜季さん、牧リヨンセレブの西村健さん(作品は上記)。洋菓子部門では、Decadence du chocolatの表実由起さん、ホテルオークラ東京の荒木貴志さん(作品は下記)です。

熱を加えると香りが飛んでしまうという素材を上手く使いこなすことが今回の勝利の鍵だったようです。発酵という過程をとるパンでメープルスイーツをつくり上げる難しさは、小倉さん始め、審査員皆が認めるところですが、ここはスイーツコンテスト。パン職人もその難しさはわかっていて臨むに違いないのです。
左:「プロムナード ドートンヌ」表実由紀さん(Decadance du chocolat)右:「Aigre-douce d'erable」荒木貴志さん(株式会社ホテルオークラ東京)

左:「Promenades d'automne(プドムナード ドートンヌ)」表実由起さん(Decadence du chocolat)右:「Aigre-douce d'erable(~メープルの甘味と酸味のハーモニー~)」荒木貴志さん(株式会社ホテルオークラ東京)

志賀さんは言います。「素材をよくよく研究して、使いやすいようにひと手間を加えてやることが大事です。たとえば固体だけでなく液体や気体となって香る可能性とか。素材を研究することで、新しい使い道もわかってくるはずです」

なるほど、インスピレーションが湧いてきそうですね。
「ひらめきはどこから生まれるかといえば、努力からだと思っています。それがちょっと慢心(おごり高ぶった心)を持つと一瞬のうちに消えてしまうことがある。インスピレーションは毎日厨房に立つ前向きな姿勢から生まれることを、おぼえておいていただけたらと思います」志賀さんから入賞者の皆さんに、そんなはなむけの言葉が送られました。
 
【関連リンク】クインビーガーデンメープルスイーツコンテスト

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