ありのままでは損する?報・連・相のコツ

報告・連絡・相談は、仕事に欠かせないもの。多くのビジネスパーソンが基本を押さえて行っていると思います。しかし、同じ内容でも伝え方によって印象が変わることを意識している人は少ないのでは? ありのままを伝えるだけでは、損をしてしまうこともあります。

報・連・相は工夫次第で仕事のしやすい人間関係や信頼関係も作ることができる貴重な機会。これまで何気なくやっていた報・連・相をこの機会に見直してみませんか?

伝え方で相手の判断も変わる!?

報告の仕方によって相手の判断が変わることもある

報告の仕方によって相手の判断が変わることもある

以下のような案件がありました。あなたらどうのように報告・連絡・相談を使うか、考えてみてください。

【CASE1】
あなたはイベントの受付責任者として会場に来ています。初日、2日目と予想以上の人が来場し、受付のメンバーはトイレにも行けないほどの忙しさ。休憩時間もとれずヘトヘトです。お客様は長い列を作り、入場までに20分ほどお待たせしている状態なので、怒って帰っている人もいるかもしれません。明日は土曜日なので今日以上の人出が見込まれます。会社に電話して、受付の人数をあと二人ほど増やしてくれるよう頼む場合、どのように報告・連絡・相談を使いますか?

(自分なりの報・連・相を考えてから次を読み進めてください)

意識せずに伝えた場合、以下のようなことが報告をしがちです。

・時系列で話す

・大変だった体験を理解してほしいというニュアンスが出てしまう

・事実と推測を混ぜて話す


こういった伝え方をした場合、上司は愚痴を聞いているような印象を受けるかも知れません。人数を増やしてほしいという要望がワガママと受け取られてしまうこともあるでしょう。ではどのように報告すればよいのでしょうか。

伝える情報と伝えない情報を整理する

上司は皆さんの報告をもとに判断をするわけですが、その時どうしても印象での判断が入りがちです。CASE1の場合「休憩がとれなかった」「疲れた」「トイレに行く時間もなかった」といった愚痴にもとれてしまう情報は省いて伝えたほうが賢明です。想いをストレートに伝えるよりも、相手がどんな印象を持つかまで考えてから、情報を整理しましょう。

例)
伝える情報
予想以上の来場者があった、長い列ができた、入場まで20分かかった、明日は土曜日なのでさらに増える予想である

伝えない情報
休憩時間がとれなかった、トイレにも行けないほどだった、疲れた

言葉の印象は、思わぬ先入観を植え付けてしまいます。正しい判断をしてもらうためにも、誤ったイメージが形成されそうな言葉は避けるのが賢明です。

時系列で話さず結論から伝える

話す順番も大切です。ビジネスシーンでは、まず結論を話し、その後に理由や詳細を簡潔に述べるようにします。しっかり意識しないと時系列でダラダラ話してしまうので、報告の前に話す順番を組み立てておくといいでしょう。

この時、できるかぎり数字を使って話すと共通認識をもちやすくなります。

例)
たくさんの人が来場した → 予想の3倍の来場者があった
長い列ができた → 入場まで平均20分お待ちいただいた
明日は土曜なのでもっと人がくるかも → 明日は土曜日なので今日の2倍の来場見込み

感覚的な表現はなるべく避け、数字に置き換えられるものは数字で伝えましょう。このケースでも、数字を使えば増員することが妥当だと判断されるでしょう。

伝え方の切り口は適切か

CASE1の場合、皆さんはどのような切り口で上司に増員をお願いするのがいいと思いますか? 以下の3つのうち、必要性や緊急性が高いと思われるのはどの伝え方でしょうか。
 

  1. このままでは受付の人の体が持たない
  2. このままでは多くのお客様に迷惑がかかる
  3. このままでは入場者を整理できずケガ人などが出る恐れもある


1.の場合、もしかすると「楽をしたいと思っているのでは?」と誤解されてしまうかもしれません。2.は1.より有効ですが、どうせなら「受付を増やすことで怒って帰ってしまう人が減り、利益が上がる」といった切り口にしたほうが響くかもしれません。3.の場合、増員しなかった場合の責任を想像させるので要望が受け容れられる可能性が高くなるでしょう。同じ報告をするのでも、切り口を考えるだけで結果が変わってくるのをご理解いただけると思います。

筆者はコミュニケーションの分野でも、特に交渉の分野を深堀していますので、もし2人増員をお願いしたいのであれば、最初に4人の増員を提案すると思います。そこから譲歩して2人という形にすることで、より要望がとおりやすくなるからです。求める結果は同じでも、アプローチにはバリエーションがあります。損をしない方法を選んでいただきたいと思います。

ホウレソウ上級者は、事実・推測・意見を混ぜない

よりよい報・連・相には準備が不可欠

よりよい報・連・相には準備とひと手間が不可欠

客観的な判断をしてもらうためにも、ホウレンソウでは「事実」「意見」「推測」を分けて話すようにしましょう。

意見や推測というのは、話し方のニュアンス次第では事実のようにとられることも。戦略的に行うことはあるかもしれませんが、信頼のためにも、正しい判断のためにも整理して伝えるのが基本です。

例)
先日のグループインタビューの結果、もっとも人気のある色はネイビーでした。女性にはピンクが人気だと言われていますが、最近のデータではピンクの売れ行きが低迷しています。これは個人的な意見なのですが、働く女性が増え、かわいらしさ以外のものが求められているのではないでしょうか。

意見や推測を伝えることが悪いのではなく、事実とは分けて話すというところがポイント。具体的には「これは私の意見なのですが」「状況から推測すると」といった前置きをつけて話せばOKです。

ホウレンソウ上級者はビジュアルエイドを活用する

量の多いもの、複雑なものなどの場合、資料を用意し、ポイントを口頭で伝えるといったケースもあるでしょう。資料を用意する場合には、ぜひビジュアルエイドの活用も考えてみてください。現物、グラフ、写真など、一目でわかる資料は時間を節約して理解を深めることができる強力なツールです。

例)
イベント業者のプレゼンですが、テーマカラーを赤に、ポップな路線で、という提案でした

これがイベント業者が持ってきた、ブースのデザイン案です

報告・連絡・相談は重要なことですが、相手の時間を奪うという側面があるのも事実。社会人2~3年目までは抜け漏れを防ぐことに注力することのほうが優先かもしれませんが、慣れてきたら簡潔にわかりやすくするための工夫もしていきましょう。

メールで報告する場合はタイトルを明確に

メールで報告や連絡をする場合には、タイトルに注意してください。ハッキリしないタイトルにしたり、CCでまわしたりすると相手に開いてもらえないことも。メールの場合は一目でわかるタイトルを工夫し、重要な案件は確認の返信をしてもらうようにすると抜け漏れを防ぐことができます。

コミュニケーションは発信して終わりではなく、相手の反応を確認するまでのところで一周です。「メールで伝えています」というのは言い訳に聞こえますので、重要なことは確認を怠らないようにしましょう。

口頭で伝えたことの記録を残すためにメールを活用するという方法もあります。込み入ったことや、確かに伝えたいことを残したい場合には「念のため、メールでも送っておきますね」と伝えれば失礼にならずに証拠を残せます。言った言わないのトラブル防止に覚えておくと便利です。

気遣いをプラスしてよりよい結果に 

気遣いをプラスしてよりよい結果に

気遣いの一言を添えることがより良い人間関係の構築に繋がる

さらにプラスαを目指すなら、報告の後に気遣いの一言を付け加えてみましょう。仕事がデキるという印象を持たれるだけでなく、いい人間関係を構築することができます。

【CASE2】
知人に紹介してもらった会社に営業に行ったったのですが、残念ながら契約をとることができませんでした。あなたなら紹介してくれた人にどのように報告しますか?

(自分なりの伝え方を考えてから、読み進めてください)

まずは、結論を報告し、経緯や理由などを簡潔に伝えます。そこにプラス一言で紹介のお礼や今後の意気込みを伝えるのがいいでしょう。

例)
「せっかく紹介いただきましたのに残念です。これを無駄にしないよう半年後にもう一度タイミングをみて、再チャレンジしたいと思っています。今回ご紹介いただいたこと、本当に嬉しかったです。ありがとうございました」

報告の後に前向きな言葉や御礼を付け加えれば、残念な結果になってもそれほど悪い印象にはならないのです。一番ダメなのは、紹介していただいたのに何も連絡しないこと。どうなったか気になっているはずですので、どんな結果になっても報告と御礼は欠かさないようにしましょう。

【CASE3】
新しい部署に配属されて3カ月。初めてチャレンジする仕事を任されました。中間報告はしますか? 完了したらどのように報告をしますか? 一言付け加えるとしたらどんな言葉がいいでしょうか。

まずは中間報告で、指示に対する理解が間違っていないか、進め方が間違っていないか確認します。無事に業務が終了した際には完了報告&お礼の一言で締めくくりましょう。

例)
「このように無事に終了できたのも○○部長のご指導のおかげです」

その仕事を任せてもらった感謝の気持ち、その仕事から学んだことなどを付け加えるのもおススメです。報告とは、単に情報を伝えるだけではなく、ビジネスパーソンとしての自分をアピールする機会でもあります。面倒がらずにチャンスと捉えて取り組みましょう。

次にちょっと変わった報告・連絡・相談のバリエーションをご紹介します。
 

連絡・相談を活用した人間関係づくり

報告は主に仕事を管理する人(上司)に向けて行いますが、連絡は情報を共有したほうがいいと思った相手であれば誰にでもできます。守秘義務などに気をつければ、相談はさらに対象が広がります。会社の中で関係を作っていきたい相手がいるのであれば、連絡や相談をきっかけにコミュニケーションをとってみませんか? 積極的にアプローチされれば、相手はイヤな気はしないものです。

人は知らない人には冷淡な態度を取りがちです(ザイアンスの法則)。逆をいえば、知っている人には冷たい態度をとりにくいということ。何かあった時に、相手が知っている人であった場合と、そうでない場合で対応が違うのはごくあたりまえのことです。単純接触を増やすだけでも好感度は上がると言われているくらいですので、連絡や相談をきっかけにコミュニケーションの量を増やすのはいい方法ではないでしょうか。

相談で根回し効果を

次の会議で提案をしたいが、あの人に反対されそう……。そんな時には相談を活用してみませんか?

事前に反対しそうな相手に相談をします。そして、相手の意見の一部でいいので、提案に盛り込むのです。会議では「○○さんにアドバイスをいただいて修正した案なのですが」という形にできるので、何の準備もない場合よりも態度がマイルドになるはずです。

人は見かけだけで判断されたり、コミュニケーション量が少ないだけで敬遠されたりすることもあります。相談されたという事実だけで、敵意がないと感じてくれる人もいるので、苦手な人にこそ、ぜひ相談をしてみてください。何となく反対の勢いが弱まるというのも人情ですし、思いきって話してみることで意外ないい一面を見つけられるかもしれません。

なにげなくやっている報告・連絡・相談ですが、そのバリエーションは広いですし、やり方によっては思わぬ効果が得られます。社会人としてホウレンソウに慣れたのなら、ぜひ効果的に使いこなせるよう、ひと手間を加えて取り組んでみてください。きっとビジネスパーソンとしての評価が上がりますよ。

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