手術以外の多くは保存療法が用いられる
腰痛で整形外科を受診すると保存療法の処置を受けることがあります
画像検査で、骨や椎間板に異常が見つからない腰痛では、「特に異常はないので、しばらく様子をみてください。」ということで、診察が終わる場合もあるようですが、具体的にどのように過ごせば良いか、姿勢の注意点などのアドバイスを受けることがあります。その患者さんに合った生活の改善点の指摘も、保存療法のひとつになります。
保存療法の種類
整形外科で、腰痛のある部位に機械を使って温めたり、痛み止めや湿布を処方されたことはありませんか? このようなものも、保存療法の中に含まれます。具体的な保存療法の種類をご紹介します。薬物療法
症状により適したお薬の処方があります
痛みを和らげる薬は、胃を荒らしてしまうこともあるため、胃腸の弱い人は医師に相談しましょう。痛みの強い場合は、座薬の鎮痛剤が処方されることが多いようです。また、神経の修復や神経の機能回復を図るために、ビタミンB12を服用する場合もあります。
運動療法
体の状態や経過により運動療法をスタートすることも
病院へ通いながら、体を動かす場合もありますが、多くは自宅でできる範囲のメニューになります。実際に体操やストレッチを行い、何か症状が表れた場合や、体操のポイントを忘れてしまった、といった場合は、早めに医師へ相談をしましょう。間違った体操方法を続けていても効果が表れないことがあるためです。
装具療法
「理学療法」といって、腰痛のある部位や関連する部位に、物理的な刺激を与えて筋肉の過剰な緊張をゆるめ、神経の働きを回復される方法があります。この「理学療法」にもいくつかの種類があり、その中のひとつに「装具療法」があります。 受診をした際に、ご自身の腰の状態に合うコルセットを処方され、指定された期間、コルセットを装着して生活を送る、といういものです。腰痛では、腰部の支えが弱く、筋肉や関節への負担が心配されるため、それらをサポートし痛みを軽減させるために必要になります。物理療法
同様に「理学療法」の中のひとつで、腰痛の患部を温めて、筋肉の血流を改善させ、腰痛の緩和を図ります。ぎっくり腰などの急性腰痛症の場合は、温める方法はとりませんが、回復の経過により、取り入れるケースもあります。ペタっと貼る市販の温湿布とはまた違うのですが、保温用の専用パックを患部に当てて、温める方法や、レーザーや遠赤外線の機械を使用する場合もあり、期間を空けずに通院が必要になることも。また、骨盤にベルトをかけて、牽引することにより、腰部が伸びて腰椎の間を開き周囲の筋肉の緊張を緩和させる方法もあります。
マッサージ療法
筋肉の血流を回復させるマッサージ療法を用いる病院もあります
神経ブロック療法
腰痛の中でも椎間板ヘルニアなど、腰痛に伴い下肢の痛みが強く、服用したお薬で効果が得られない場合に、選択させることがある「神経ブロック療法」。痛みが強すぎたり、痛みが長く続いてしまうと、その痛みにより、体を活動的な状態にする「交感神経系」が緊張してしまい、痛みを強めてしまう恐れがあります。 連続した強い痛みは、予想以上に腰痛の回復を遅らせる可能性があるため、モトとなる神経に局所麻酔を用いて、痛みの伝達をブロックし、続く痛みの悪循環を遮断します。神経ブロック療法の中でも種類があり、神経に直接注射をせずに、神経の周囲に麻酔薬を注射する方法もあります。このように、病院で受ける処置には色々なものがあり、「これは保存療法だったのか!」と思うものもあると思います。保存療法によって、手術が避けられたり、さらなる悪化を防ぐことも可能であったりするため、通院ペースや自宅で行う療法の期間などについては、きちんと指示を守り、ちょっと楽になったから、もういいや!」と突然やめてしまうことのないようにご注意ください。