妊娠中のレバーを食べるのは胎児に良くない?
妊婦がレバーは避けるべき?
多くの妊婦さんが努力して食べる場合が多いのに、実は胎児によくない食べ物があるってご存知ですか? タイトルにも入れていますが、答えはずばり「レバー」です。
妊娠中は血液量が増え、貧血になりやすいことは広く知られています。貧血対策として、妊娠していない時はあまり食べなかったレバーを努力して食べている人は多いようです。ガイド自身が妊婦だった時に、妊娠に関するウェブサイトやブログを見ていたときに、貧血対策にレバーを勧めているサイトや、努力してレバーを食べている妊婦さんのブログなどを数多く目にしました。
<目次>
妊娠中のレバーの食べ過ぎは「ビタミンAの過剰摂取」のリスクに
国立健康・栄養研究所のウェブサイトには、「レバーなどには、ビタミンAが多く含まれていますが、過剰摂取により先天奇形が増加することが報告されているため、妊娠を計画する人や妊娠3か月以内の人は、大量摂取を避けましょう。」と掲載されています。授乳婦のビタミンA推奨量は1,100-1,150μgRE/日です。豚レバーは100g当たり13,000μg、鶏レバーは100g当たり14,000μg、牛レバーは100g当たり1,100μgのビタミンAを含みます。100グラムの重さの目安は、一口サイズの角切り肉が5個分くらいです。よって、特に意識せずに食べると、すぐに過剰摂取になるので注意する必要があります。レバーはよくない&避けましょうと書きましたが、レバーが好物という人は、完全に避けるのではなく分量に注意しながら食べるようにしましょう。ただ、今でも「レバーをたくさん食べるように」と指示を出す医師や栄養士が存在するようで、本当に過剰摂取になる可能性もあります。みんなで気をつけたいところです。
妊娠中の鉄不足で起こること・リスク
鉄分の不足は、妊婦さんの体力の問題だけでなく、早産との関連も示唆されています。一般的に貧血が顕著になるのは妊娠後期ですが、後期に入る前の鉄不足によるリスクを懸念するリサーチもあるようです。妊娠中の鉄不足による貧血対処法
日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、推奨される1日の鉄の量は、月経のある成人女性では10.5mg、妊娠中期·後期では21~21.5mgです。残念ながら、平成29年の国民健康·栄養調査では、20歳~49歳女性の鉄の摂取量は6.4~6.8mgで、一般的な食事では鉄はとても不足しやすいことが分かります。食べ物から必要な鉄分を摂取するのが好ましいのが事実です。しかし、日頃から鉄分が不足している人が、急に十分な鉄の摂取を目指すのは難しいものです。鉄分のことばかりに気を取られて、レバーなど、同じものばかりを過剰摂取したり、全体の栄養バランスが悪くなる恐れもあります。
貧血になってしまい、病院で処方される鉄剤の副作用として、吐き気や便秘がよくみられるようです。貧血になってから処方されるサプリメントは鉄分を多く含みますので、副作用が出やすくなるようです。食事から摂るのが難しい場合は、無理をせずに、貧血になる前から、一日に必要とされる鉄のサプリメントを摂取するのも良いと思いますので、医師と相談しましょう。サプリメント摂取で吐き気がする人は、食事と一緒に摂ったり、寝る直前に摂ったりと、自分の体調に合う摂取タイミングを見つけましょう。便秘に悩まされている人は、十分な水分と不溶性食物繊維の摂取をするようにしましょう。
あなたの周りにも、”努力”してレバーを食べている妊婦さんがいれば、努力しないように教えてあげましょう!
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