現代人のビタミンの摂りすぎを再確認!

ビタミン豊富な野菜

サプリメントなどでビタミンを摂る場合、通常の食事よりも過剰摂取に気をつける必要があります

最近、サプリメントやガム、タブレットなど食事以外からビタミンを摂る方法が増えてきました。しかし、簡単にビタミンの摂取が出来るようになったからこそ、ビタミンの過剰症などについて知っておきたいものです。

今回は、現代人のビタミンの摂りすぎと、注意点についてお話いたします。

ビタミンの種類

各論に入る前に、ビタミンの種類についてざっとおさらいしてみましょう。

ビタミンは親油性(脂溶性)ビタミンと親水性(水溶性)ビタミンの2つに別れます。13種類のビタミンについて、多く含む食品、欠乏症、過剰症を一覧にしてみました。

** ビタミン 多く含む食品 欠乏症 過剰症
親油性ビタミン
ビタミンA レバー、乳製品、魚、緑黄色野菜 夜盲症、皮膚乾燥症 奇形の発生(胎児)
ビタミンD 魚肉、乳製品、キノコ類 クル病、骨軟化症 高カルシウム血症
ビタミンE 植物油、ナッツ類 通常はない ときに下痢
ビタミンK 納豆やチーズなどの菌食、卵製品、鶏肉 出血傾向〈新生児・高齢者〉 -
親水性ビタミン
ビタミンB1 豚肉、大豆、そば粉 脚気(心臓や神経の障害)、ウエルニッケ脳症 -
ビタミンB2 レバー、脱脂粉乳、塩さば、納豆 成長障害、皮膚・舌・唇の炎症 -
ナイアシン 肉や魚 ペラグラ(皮膚病) 皮膚発赤反応
ビタミンB6 ニンニク、マグロ、胸肉、海苔、レバー けいれん、皮膚・唇・口腔に炎症 神経の異常(運動、知覚障害)
葉酸 豆類、野菜類、わかめ、レバー、柑橘類 巨赤芽球性貧血、神経の奇形(胎児) -
ビタミンB12 レバー、青魚、貝類、卵、乳製品 巨赤芽球貧血、神経障害、動脈硬化 -
ビオチン 内類、大豆、穀類、卵黄 ヒトでは欠乏症はない -
パントテン酸 レバー、酵母、卵 通常はない -
ビタミンC 緑黄色野菜、果物、イモ類 壊血病 -


妊娠している方はビタミンAの摂り方に注意!

体の中でビタミンをどこに蓄えているかというと、いろいろな代謝を行っている肝臓に蓄えています。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは親油性のビタミンです。脂肪に溶け込むので、肝臓ばかりだけなくて全身の脂肪細胞に相当量を蓄える事ができます。

親油性ビタミンの中で、妊娠をしている方が注意していただきたいのはビタミンAです。母体には影響は出ませんが、母体内の胎児の成長に影響します。

ビタミンAを摂るなら植物から!

ビタミンAを摂取される場合はβ-カロテンの形で摂取されれば、問題ありません。

ビタミンAは植物中で親水性のβ-カロテンの形で存在します。β-カロテンは、生体内で親油性のビタミンAに変わり、肝臓で蓄えられます。β-カロテンの形で体内に過剰した場合は、体内でビタミンAに変換する際の変換量が一定なので、過剰症が起きません!

ビタミンAを摂るなら植物からβ-カロテンとして摂取することをおすすめします。

因みに、かぼちゃ、人参、ミカンの赤色~黄色の色は様々なカロテン(β-カロテン、α-カロテン…etc.)に由来しています。

ビタミンとガン

ビタミンとガンの関係について、今まで様々な実験が行われてきました。

喫煙は肺癌の危険因子です。喫煙者の肺ガンに対してβ-カロテンを使った治験がありました。ところが、実験を始めて暫くして、β-カロテンを飲んだ人たち方が飲んでいない人たちよりも肺ガンの発生率が高い事が判明しました。結局この治験は途中で中止となりました。自然のカロテンはα-カロテンを含む数百種類のものがありますが、抽出された単品のビタミンを大量摂取することは不自然な行為だったようです。

現在はカロテンと他のphytochemial(例:トマトのリコピン)などを複合して治験が行われています。複合型カロテンとリコピンの組み合わせは、慢性肝炎の人では肝臓癌への進行を予防する効果があります。

ビタミン好きの方は注意!親水性ビタミンの摂り過ぎもあります

一般に親水性ビタミンは、摂り過ぎても腎臓から出てしまうので、摂り過ぎは起きないという誤解があります。親水性ビタミンであるビタミンB6は、不足症が起きにくいビタミンです。

ところが、ビタミン好きの方の一部は、通常の一日の必要量の10倍~100倍量を摂取します。ビタミンB6の場合は、過剰に摂取した場合は、排泄能力の限界を越えてしまい過剰症がおきます。症状はしびれなどの知覚異常(神経症状)です。

単品のビタミン剤はやめよう

ビタミンは本来、食事から摂るべきものです。ビタミンの過剰摂取の背景には、食事に手間と暇をかける事ができない状況なのに、健康指向を目指す現代人の健康不安があります。

食生活を改善したいが、時間が足りないので、いわゆるサプリメントに頼ります。特定のビタミンを過剰に摂ると過剰症が起きます。もし、ビタミンを摂るならば単品のビタミン剤は避けて複合型のビタミン剤を摂るようにしましょう。


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