節税対策/法人税の節税対策

役員給与の節税

役員給与の金額をうまく決めることができれば、それだけでかなりの節税ができます。今回は最新の情報も交えて、役員給与節税のポイントを解説していきます。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド


役員給与は節税の柱

役員給与
節税を考えるとき、役員給与は金額が大きいことから、非常に重要な項目です
役員給与は、経費のなかでも大きな金額を占めます。節税を考えるに当たっては、この役員給与の基本的知識を身につけることが非常に重要です。特に役員給与については、ここ数年で大きな税制改正が行われました。今回はそれらの改正も織り込みながら、役員給与の節税について最新情報をお届けしたいと思います。

役員給与は「定期同額」が原則

冒頭でもお話しした通り、役員給与については、2006年度(平成18年)税制改正において大きな改正が3つ行われました。

1つめは、「定期同額給与」の導入です。この改正によって、役員給与は毎月同額でなければ、原則経費として認められなくなりました。この改正以前は、「今期は少し利益が出たから、期中で役員給与を上げよう(?)」という会社もあったようですが、この改正によって、利益調整目的で期中に役員給与を上げる、ということはできなくなりました。

役員給与を変更できる時期は、原則、年に1回だけ。それは事業年度開始後3ヶ月以内に限られます。例えば、3月決算法人であれば、4~6月までの3ヶ月間。この期間に、今後1年間に支払う役員給与を決めてしまわなければなりません。中小企業においては、この役員給与の金額によって節税の大半が決まってしまう、と言っても過言ではありません。

では、期中に役員給与を上げ下げすると、具体的にはどうなるのでしょうか。例えば、3月決算法人の会社で、4~9月までの役員給与を50万円、10~3月までの役員給与を100万円に変更したとします。この場合、定期同額給与として認められるのは50万円。10月から支払っている100万円の役員給与のうち、50万円は定期同額給与として経費計上が認められますが、それを超えた50万円は税金を計算する上では、経費として認められなくなります。

結果として、年間50万円×6ヶ月=300万円の役員給与が経費にならなくなってしまいます。こうならないためには、期首に今期の利益予想をしっかりと行って、適正な役員給与の金額を設定することが、節税の第一歩となります。

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