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著者にインタビュー! 山本真司氏の履歴書(2ページ目)

「30歳からの成長戦略」の著者・山本真司氏。彼自身、どのような成長戦略を図ってきたのでしょうか。秀才ではなかったと言い切る同氏のキャリアについて伺いました!

執筆者:藤井 孝一

顧客のために働けばエゴはマネジメントできる


●ご著書「30歳からの成長戦略」では、とくに9章の「経営者人材をめざす」が心に響きました。経営者人材になるには、「エゴ」すなわち、自分の「欲」のマネジメントが不可欠と説いておられますが
僕も、コンサルタントとして働くようになってまもなく、利益追求に走った時期があるんです。でも、ほどなくバーンアウトしてしまいました。こちらの得になるように動くと、クライアントにはすぐばれてしまうものなんです。

「あんたの仕事はわれわれを助けることじゃないか。それなのに、自分が偉くなることばかり考えているんだな」と。プレゼンテーションするたびに顧客が怒り出すので、こちらも精神的にだんだんストレスがたまるようになりました。

人間、とことん疲れきるとどうにか現状を打開しなくては、と思うものです。そこで僕も考えました。これまでは勝つことばかり追求してきた。もし、勝てなければ自分はどうなるだろう――?

それから仏教関係の本を読み出したんです。出会ったのが「無欲」という言葉でした。無欲で仕事をすれば、たしかにこんなストレスとはおさらばです。しかし、欲がなければやる気も出ず、走れない。かといって、欲を出せば転んでしまう。

いったいどうすればいいのかと、悶々としていました。そのうちふと「とことん顧客のために仕事をすればいいんだ」と思い至りました。自分の成功ではなく、相手の成功のために尽くすのです。ときにはカネにならないような仕事をしたり、まったく利益につながらない助言をすることもありました。

当初のようなジレンマに陥らなくなっただけではありません。不思議なことに以前より高い成果が出るようになったんですよ。数字では見えにくい成果ですが、顧客の信頼度は格段に上りました。



社会は人間が分業することで成り立っているのですから、それぞれみんな、誰かのために働いているわけです。単純に「その人のために最高の成果を出そう」と思えば、目の前の仕事をとことん面白がることができるのではないでしょうか。――これが僕における「『欲』と『無欲』のあわせのみ」でした。

●最後に、30代ビジネスパーソンにメッセージをいただけますか
これからは、会社と個人の関係は「友達夫婦」が一番だと思いますね。自分のやりたいことのために会社を使い、会社も自分を利用する。互いの目的が3~4割重なっていれば、お互いハッピーでいられるじゃないですか。

両者が運命共同体だった時代は過ぎました。といっても、双方がまったくそっぽを向いている「仮面夫婦」になっては不幸です。少子化時代になればなるほど、優秀な人材が求められるようになります。

自分の生き方を追求するために、能力を身につけ、会社と持ちつ持たれつの関係を築いていける――そんな30代が増えていくことを祈っています

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