不動産売買の法制度

更新日:2012年01月01日

防火地域と準防火地域の基礎知識

建物が密集している都市部では、大規模災害防止のための延焼防止措置や建物の不燃化が重要な課題です。そのため都市計画法や建築基準法では「防火地域と準防火地域」などによる建物構造の制限が定められています。


準防火地域とは?

前ページの防火地域の外側で、比較的広範囲に「準防火地域」が指定されているケースが多くなっています。規制内容は防火地域よりも緩やかで、地階を除く階数が4以上、または延面積が1,500平方メートルを超える建築物は耐火建築物としなければなりませんが、延面積が500平方メートル以下であれば、一般的な木造2階建てや、一定の基準に適合する木造3階建ても建てることができます。

準防火地域内の建築制限

木造3階建て(500平方メートル以下)の場合は、外壁の開口部の構造および面積、主要構造部の防火の措置などについて一定の技術的基準が定められており、これに適合する建築物としなければなりません。

木造2階建てまたは平家建ての場合は、隣地から一定の距離内で延焼のおそれのある部分の外壁や軒裏は防火構造としなければなりません。また、これに附属する高さが2mを超える門や塀は、不燃材料で造るか、または不燃材料で覆わなければなりません。


屋根不燃区域とは?

防火地域または準防火地域は、都市計画区域内のすべての地域に指定されるわけではなく、第1種および第2種低層住居専用地域などでは、そのいずれも指定されていない場合が少なくありません。

ただし、その代わりとして特定行政庁から「屋根不燃区域」(「屋根不燃区域」または「屋根不燃化区域」)の指定を受けている場合もあります。建築基準法第22条によって規定されているため「法22条区域」とも呼ばれますが、建築物の屋根や、木造建築物の外壁で延焼のおそれのある部分の構造などについて、一定の基準が定められています。

なお、屋根不燃区域は防火地域や準防火地域とは異なり、都市計画区域外であっても指定することのできる制度となっています。


異なる地域にまたがる場合

ひとつの建築物が防火地域と準防火地域とにまたがる場合、あるいは防火地域または準防火地域と指定のない地域とにまたがる場合などは、その建築物全体に対して「より制限の厳しいほうの規定」が適用されます。屋根不燃区域の場合も同様です。

ただし、制限の緩やかなほうの敷地内に有効な防火壁を設けた場合には、その先の部分に対して厳しいほうの規定は及ばないことになっています。


敷地境界線に対する特則

建築基準法(第65条)では、「防火地域または準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる」と規定されています。これは、隣地境界線から50cm以上離さなければならないとする民法の規定に対する特則とされており、都市部では実際に隣地と隙間なく建てられている例も少なくありません。

ただし、この解釈をめぐって隣地との間でトラブルを生じることもあり、この特則が無制限に受け入れられているわけではないことに注意が必要です。


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平野 雅之

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