不動産売買の法律・制度/不動産売買の法制度

容積率、これだけは知っておきたい基礎知識

敷地に建てることのできる住宅の大きさは、容積率と建ぺい率によって左右されますが、容積率にはいろいろな緩和措置もあり、それらをうまく活用することが敷地の有効利用にもつながります。住宅や土地を選ぶ前によく知っておきたい基礎知識をまとめてみました。(2014年改訂版、初出:2011年8月)

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住宅を購入するときや建てるとき、建ぺい率とともによく理解しておきたい重要な規定が容積率です。住宅の大きさを左右する容積率は、緩和規定や、逆に制限を強化する規定がいろいろと絡み合い、実際に適用される数値が分かりづらいケースも少なくありません。

この容積率について、ぜひ知っておきたい基本の内容をまとめましたので、住宅や土地を選ぶ際にはぜひ参考にしてください。


容積率とは?

容積率とは、建築物の延床面積の敷地面積に対する割合です。たとえば100平方メートルの敷地に延床面積(各階床面積の合計)が150平方メートルの建物があれば、容積率は150%ということになります。

このときに各階の床面積の割合や階数は関係ありませんから、1階が100平方メートル、2階が50平方メートルの2階建てでも、逆に1階が50平方メートル、2階が100平方メートルの2階建てでも同じ容積率となります。

同様に、各階が50平方メートルの3階建ても、各階が30平方メートルの5階建ても、延床面積は同じ150平方メートルであり、容積率は変わりません。


都市計画と前面道路の幅員で決まる容積率の限度

それぞれの敷地に対して適用される容積率の限度は、都市計画によって定められた「指定容積率」と「前面道路による容積率」のうち、どちらか厳しいほうの数値となります。

都市計画による「指定容積率」は、用途地域との組み合わせにより50%から1300%の間で定められます。

一方、「前面道路による容積率」は敷地の接する道路の幅員が12m未満の場合に適用されるもので、原則として住居系の用途地域では道路幅員×0.4、その他の地域では道路幅員×0.6で求められます。前面道路の幅員が12m以上の場合には、指定容積率がそのまま、敷地に適用される容積率の限度となります。

容積率の限度
容積率の限度
たとえば、住居系地域で指定容積率が200%の敷地でも、前面道路の幅員が4mの場合であれば、4m×0.4で求めた160%が実際に適用される容積率です。

前面道路の幅員が4m未満で建築基準法によるいわゆる「法42条2項道路」の場合には、幅員を4mとみなす代わりに、計算対象となる敷地面積からセットバック部分を除外しなければなりません。

また、角地や両面道路の敷地など、前面道路が2つ以上ある場合にはそのうち最も広い道路の幅員を適用することができます。


容積率の異なる2以上の地域に敷地がまたがる場合

敷地の一部が容積率の異なる2以上の地域にまたがっている場合には、それぞれの地域ごとに延床面積の限度を求め、それを合計したものが敷地全体での限度となります。この延床面積の限度の合計数値を敷地全体の面積で割れば、敷地全体に対する容積率となり、これを「加重平均」といいます。

この場合、容積率の計算上において建物の配置に制限はありませんが、各種の斜線制限などによって制約を受ける場合はあります。


容積率の計算例

次のような敷地を想定して容積率の計算をしてみましょう。

・敷地面積 300平方メートル
・うち、200平方メートルが第1種住居地域で、指定容積率は300%
・うち、100平方メートルが近隣商業地域で、指定容積率は400%
・道路幅員に対する係数はいずれも原則どおりとする
指定の例
第1種住居地域部分の容積率は、6m×0.4により240%となります。この場合、敷地全体が接する道路のうち広いほうを採用できますから、4mではなく6mにより計算をします。

近隣商業地域部分の容積率は、6m×0.6により360%となります。

□ 延床面積の限度
第1種住居地域部分  200平方メートル×240%=480平方メートル
近隣商業地域部分  100平方メートル×360%=360平方メートル
敷地全体に対する限度  480平方メートル+360平方メートル=840平方メートル

□ 敷地全体の容積率
840平方メートル÷300平方メートル(敷地面積)=280%


容積率の緩和規定…次ページへ


更新日:2014年04月01日

(公開日:2011年08月01日)

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