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容積率、これだけは知っておきたい基礎知識

敷地に建てることのできる住宅の大きさは、建ぺい率と容積率によって左右されますが、容積率にはいろいろな緩和措置もあり、それらをうまく活用することが敷地の有効利用にもつながります。住宅や土地を選ぶ前によく知っておきたい容積率の基礎知識についてまとめてみました。

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敷地の有効利用のうえでなかなか厳しい面もある容積率の制限ですが、住宅などでは大胆な緩和規定も用意されています。


地階部分の容積率不算入

住宅の用途として使用する地階部分は、その建物全体の住宅部分の床面積の合計の3分の1を限度として、容積率算定上の延床面積から除外することができます。

専用住宅の場合、1階および2階がそれぞれ60平方メートル、地階が30平方メートルだとすれば、その合計150平方メートルの3分の1は50平方メートルであり、地階がまるまる除外されることになります。

また、1階および2階がそれぞれ50平方メートル、地階が80平方メートルだとすれば、その合計180平方メートルの3分の1は60平方メートルであり、地階のうちこれを超える20平方メートル(80-60)が加えられて、容積率算定上の延床面積は120平方メートルとなります。

逆に考えれば、専用住宅の場合には、地階を造ることによって容積率が最大で5割増しまで緩和されるわけです。

なお、この緩和措置が適用される地階は、その天井の地盤面からの高さが1m以下であること(1mを超えて地表に突き出していないこと)、地階の床面から地盤面までの高さが天井高の3分の1以上であること(室内空間の高さの3分の1以上が地下にあること)などの条件を満たしていることが必要です。


車庫の容積率不算入

建物に付属する車庫、駐車場施設などの床面積は、各階床面積の合計の5分の1を限度として、容積率算定上の延床面積から除外することができます。

車庫が30平方メートル、1階の車庫を除いた部分が50平方メートル、2階が70平方メートルだとすれば、その合計150平方メートルの5分の1は30平方メートルであり、車庫部分の床面積がまるまる除外されることになります。合計床面積の5分の1を超える車庫については、超えた部分が容積率算定上の延床面積に加えられます。

ちなみに、この車庫の緩和規定と上記の地階の緩和規定とは併用することができます。

なお、これらの緩和規定はあくまでも容積率算定上のものであり、他の規定や制限における延床面積の計算では除外されませんから、混同がないように注意しなければなりません。


特定道路による容積率の緩和

前ページで説明したとおり、前面道路の幅員が12m未満の場合には指定容積率を下回る限度が適用される場合があります。

しかし、前面道路の幅員が6m以上(12m未満)で、その前面道路が70m以内の距離で、幅員15m以上の道路(「特定道路」といいます)に接する場合には、これを緩和する(前面道路の幅員を割増して計算する)規定があります。

計算式は複雑ですからここでは説明を省略しますが、「敷地の前の道路が6m以上で、すぐ近くに広い道路があれば、容積率が緩和される場合もある」と覚えておけばよいでしょう。


計画道路に接する場合や壁面線の指定がある場合の緩和

計画道路のうち「2年以内に事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの」は建築基準法上の道路とみなされるので問題はありませんが、敷地がそれ以外の計画道路(事業予定が未定のものなど)に接している場合があります。

このようなときに、その計画道路を前面道路とみなして容積率の限度を算定することができます。

また、都市計画で壁面線の指定(前面道路の境界線から一定の後退をして建築をする規定)がある場合や、地区計画によって壁面の位置の制限がされている場合などには、この壁面線を道路境界とみなして前面道路の幅員を置き換え、容積率の限度を算定することができます。

しかし、計画道路の場合はその計画にかかる部分、壁面線などの場合は後退部分の敷地面積を除外して容積率を掛けることになります。実際に有利になるのかどうかは敷地条件によって異なるため、これらの規定の適用は任意です。


マンションの場合の緩和規定

マンションなど共同住宅の場合には、共用の廊下や階段、エントランスホール、エレベーターホールなどが、容積率算定上の延床面積から除外されます。

また、上記の地階の容積率不算入において、住宅そのものの用途ではなくてもトランクルーム、管理人室、廊下、階段、設備室などが緩和の対象に含まれます。


一定規模以上の敷地における容積率の緩和

第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、準工業地域、商業地域内にある一定規模以上の敷地(高層住居誘導地区を除く)で、住宅を含む建築物を建てるときには、容積率が最大で1.5倍まで緩和されます。

一定規模以上の空地を確保することなども要件となりますが、敷地面積は地域によって1000平方メートル以上、2000平方メートル以上など(条例で500平方メートルまで引き下げ可)と定められており、だいぶ大きなお屋敷でないかぎり、一戸建て住宅などで適用される機会はありません。主にマンションや住居混在のオフィスビルなどで適用されます。


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更新日:2012年01月01日

(公開日:2011年08月01日)

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