不動産売買の法律・制度/ガイド:平野の私的不動産用語集

セットバック

セットバックについて解説をします。不動産の解説にはどうしても難解な専門用語が付きものです。しかし、いちいち用語集を探すのは面倒! そんな人のために、記事中の用語にリンクした不動産用語集を作成しています。

執筆者:平野 雅之

更新日:2010年04月01日

この記事の担当ガイド

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セットバック

【せっとばっく】

敷地のセットバック

建築物の敷地は原則として建築基準法に定める幅員4m以上の道路に間口2m以上接していなければならないが、古くからの市街地などには幅が4mに満たない道路が数多く存在する。そのため建築基準法が適用される以前(昭和25年11月23日以前)、または都市計画区域に編入される以前から存在し、それに沿って建物が立ち並んでいたような道路で特定行政庁の指定を受けたものは、道路とみなすことになっている。このような道路を「42条2項道路」あるいは単に「2項道路」または「みなし道路」という。

建築基準法上の道路とみなされて建物の建築が可能となる代わりに、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退させる必要がある。これによって将来的に4mの道路幅を確保しようとするもので、この敷地境界線の後退を「セットバック」という。不動産の広告等では「SB」としてその面積が表示されている場合もある。

道路の中心線から2mの位置が敷地と道路との境界線とみなされるため、「セットバック」した部分の土地は、たとえ個人の所有のままであっても建ぺい率や容積率を算定する際の敷地面積には含まれず、また、「セットバック」部分に塀や門などを立てることもできない。ここに植木鉢などを並べて置いている風景をよく見かけるが、本来は置いてはいけないものである。

道路を挟んで向かい側が川や崖地などの場合には、向かい側の道路境界線から4mの位置まで一方的に「セットバック」をする必要がある。

なお、特定行政庁により道路の最低幅員が6mと定められた区域では、「セットバック」が道路の中心から3mのラインに設定される。また、建築物敷地の接道義務は原則として都市計画区域および準都市計画区域内に限り適用されるため、都市計画区域等になっていない地域では建築基準法による敷地の「セットバック」がない。


建物外壁等のセットバック

道路幅員による「敷地のセットバック」だけでなく、次のような場合などにも「セットバック」という用語が使われる。

1.壁面線の指定により建物の壁またはこれに代わる柱を道路境界線から後退させる場合
2.外壁の後退距離の指定により建物の壁またはこれに代わる柱を道路境界線から後退させる場合
3.道路斜線制限の緩和を受けるために建物外壁を道路境界線から後退させる場合
4.日照や通風の確保のため、建物の上階を下階よりも後退させて建てる場合

「セットバック」の本来の意味は最後の「4」が該当するらしいが、不動産取引の中で単に「セットバック」といえば、たいていは上記の「敷地境界線のセットバック」を指す。しかし、建築業界の中で「セットバック」という場合には建物のセットバックを指すことが多いのだろうか。

>> 道路
>> 狭あい道路

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