テレビ/テレビの基礎知識

テレビ選びで知っておきたいスペック

薄型テレビを購入する際に押さえておくとよい性能項目について解説します。これだけ押さえておけば、より自分に最適な薄型テレビが選べるはず。難しい製品カタログも理解しやすくなりますよ。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

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薄型テレビを購入する際に押さえておくとよい性能項目について解説します。これだけ押さえておけば、より自分に最適な薄型テレビが選べるはず。難しい製品カタログも理解しやすくなりますよ。






数字が製品選びの
客観的な指標となるスペックに何がある?

液晶、プラズマを問わず、カタログを読んで比較する際の、性能の指標となる客観的な数値には次のようなものがあります。かつてのフィギュアスケートのテクニカルポイント(技術点)とお考えください。

■画面解像度
最も重要なのが「画面解像度」。簡単にまとめると、フルハイビジョン、ハイビジョン、標準画質の3種類があります。

37V型以上を買うなら、必ずフルハイビジョン(1920×1080)の製品を選ぶこと。プラズマ方式のフルハイビジョンは42Vからですので、プラズマ方式イコール大画面と割り切ること。放送もパッケージメディアもカメラも今やフルハイビジョンへ移行中ですので、それら全てをダウンサイジングせず表示するテレビでないと物足りません。

■液晶パネルの表示周波数
液晶方式はプラズマ方式に比べ、動画解像度でやや劣ります。動画解像度が低いと「動画ボヤケ」が起こり、残像が生まれて、見ていて気持ちの悪い映像になります。

メーカー各社の努力で液晶方式の動画ボヤケはずいぶん改善されました。改善に役立った技術が、カタログでよく目にする「倍速パネル」とか「120Hz駆動」です。テレビは60コマ/秒で映像を表示しますが、コマ(フレーム)数を2倍にしてさらにフレーム間に黒い画面を挿入したりして、残像現象を軽微にする技術です。

現在32V以上の液晶テレビのほとんどはこの倍速120Hzパネルを使用しています。安価に設定されていたり、型落ちの製品は搭載していない場合がありますので確かめること。また、ソニーのKDL-46/40W1のように「4倍速240Hz駆動」も現れています。

カタログにはさまざまな数値が記載。
画質の決め手のコントラストの測定方法にも何種類もある

■コントラスト数値、画面の明るさ
コントラストは明度(明るさと暗さ)の比です。もちろん数字が大きいほど、メリハリのある、はっきりした画像になるわけですが、注意しないといけないのは、コントラストの測定には以下のようないくつかの方法があることです。

・ダイナミックコントラスト
全白信号での画面最大輝度と全黒信号での画面最少輝度の比
・暗所コントラスト
一画面内で同時に表示できる最大の明暗の比

例えば「この液晶テレビは100万対一のコントラスト」とか「黒の改善で30000:1のコントラスト」とか必ずカタログに記載されています。100万対一は前者、30000:1は後者です。カタログを参照する場合は、後者の暗所コントラストを共通の尺度と考えましょう。

■搭載するデジタルチューナーの数
チューナーの数はシングルでも一般的に不都合はありませんが、ファミリーで一緒にご覧になる機会が多い場合、ダブルチューナーは役立ちます。

各社が子画面機能やピクチャー・イン・ピクチャー機能、裏番組視聴機能を競っていた時期はダブルチューナー全盛でしたが、薄型テレビの価格下落が進み、各社が競ってコストダウンを進めている現在、高級機やハードディスク録画機能を搭載した上位機にのみ、ダブルチューナーが搭載されています。

■映像回路のグレード、処理能力
各社のテレビは標準映像をハイビジョン信号に変えたり、動画解像度を上げたり、色調を鮮やかにする映像プロセッサーを搭載しています。ソニーの場合は、ブラビアエンジン、東芝の場合は、メタブレインと呼ばれるのがそれです。

これに加え、画質処理能力を示す14ビット処理とか16ビット処理といったものがあります。数字が上がるほどきめ細かな映像処理が行われているわけですが、イコール画質ということではありません。パネルの表示能力をベースに階調の設定の工夫、色彩の設定、細部の見せ方、ノイズの抑制など多様なノウハウがモノを言うからです。

■年間消費電力
一般的に液晶方式よりプラズマ方式の方が消費電力は大きく、その中でも年間消費電力量が少ないほど経済性が高いと言えます。

ただ最近ではパナソニックの製品のように、液晶方式と遜色のないプラズマテレビも登場しています。

■内蔵HDDの容量
録画ができるテレビがここにきて増えています。日立、東芝に加え、パナソニック、ブルーレイレコーダーを内蔵したシャープが新たに加わりました。HDD内蔵テレビは実際使ってみてその便利さがわかります。

各社ともHDMIのリンク機能(ビエラリンク、アクオスファミリンクなど)でデジタルレコーダーを動かすことができますが、内蔵型のワンボタンで視聴中の番組をそのまま録画できるイージーさには及びません。

ただしテレビ番組のデータは大きいので、HDDはたちまち一杯になります。ヘビーユーザーを自認するなら、HDDの容量を確認すること。日立の場合、250GBのHDDを仮想的に2倍にする機能を搭載しています。また、着脱可能なカセット方式のHDD「アイヴィーポケット」を併せて装備します。東芝のレグザは、HDD内蔵型と外付けの二つの方式が用意されます。パナソニックのPZRシリーズの1TBが現在最大です。

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