住宅ローン控除、2年目からは年末調整で控除が受けられる

確定申告をする前年に、住宅ローンを借り入れして住宅を取得した場合、住宅ローン控除が受けられます。普段、確定申告をしない会社員は面倒に思うかもしれませんが、1年目は自分で確定申告をする必要があります。今年2016年は3月15日が申告期限なので、今から準備しておきましょう。1年目に申告をしておけば、2年目からは会社の年末調整で住宅ローン控除を受けられます。

確定申告をするには、必要な書類がいくつかあり、郵送で届くもの、自分で取得するものがあります。1つでも漏れがあると書類作成が二度手間になりますので、事前に必要な書類をチェックして、準備しておくようにしましょう。

年末調整を受けた会社員の例で、必要書類を説明していきましょう。

まずは確定申告書を入手する

会社員の場合、必要な確定申告書は「確定申告書A(第一表と第二表)」と「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の2つ。税務署(通勤途中の税務署でもよい)に行き、会社員の住宅ローン控除の申告と言えば、すでにセットされている書類が渡されます。

税務署に行く時間がない、という場合は、税務署に郵送してもらうこともできますが、国税庁のサイトから確定申告書をダウンロード(PDF印刷)するか、確定申告等作成コーナーで申告書そのものを作成することもできます。ネット上で作成すれば、税額などが自動計算されるので、自宅にネット環境があれば、そのほうがカンタンで便利でしょう。今年、サイトが刷新され、給与所得のみで住宅ローン控除や医療費控除などを行う人向けに、入力が簡易にできるようになりましたので、一度サイトを確認してみるといいでしょう。

※国税庁・平成27年分 確定申告特集
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tokushu/

自分で用意する書類

申告書に添付する書類は、多岐にわたりますが、事前に準備しておかないと申告書類の記入ができません。こればかりは時間を作って書類を集めるしかありません。下記に必要な書類を列記しましたが、取得した住宅によって必要な書類が異なりますので、注意してください。

住宅ローンの年末残高証明書は、借入の金融機関から送られてきますが、登記事項証明書は登記所(法務局、支局、出張所)で取得します。

住宅ローン控除のために自分で用意する書類

住宅ローン控除のために自分で用意する書類


申告書を作成する手順

申告書に手書きで作成していく場合は、次の手順で作成していきます。記載の説明書を見ながら作成すれば、それほど難しいことではありません。国税庁のサイト内の「(特例増改築等)住宅借入金等特別控除用の記載例(PDF)も参考にしてください。

1.住宅借入金等特別控除額の計算明細書を記入する

住宅借入金等特別控除額の計算明細書のイメージ

住宅借入金等特別控除額の計算明細書のイメージ

 


記入にあたっては、売買契約書、登記事項証明書、年末残高証明書を準備します。まずは一面から記入します。

・「居住開始年月日」を記入
・「取得対価の額」を記入(売買契約書等を参照)
・「総(床)面積」を記入(登記事項証明書を参照)
・共有の場合は「あなたの共有持分」を記入(登記事項証明書を参照)
・「あなたの持分に係る取得対価の額等」を記入(取得対価の額に持分を乗じたもの)
・「新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高」を記入(年末残高証明書を参照)
・「連帯債務に係るあなたの負担割合」から「住宅借入金等の年末残高の合計額」までを指示にそって記入


ここで注意が必要なのは、借入残高が取得対価を超える場合です。一般的ではありませんが、住宅取得時に、全額ローンを借り入れ、さらに諸費用などを上乗せして借りている場合、取得対価を超える部分は住宅ローン控除の対象外になります。また、店舗併用など居住用以外の部分も対象から外れ、住宅ローンは居住用の割合で按分しなければなりません。また、言うまでもなく、住宅ローン控除の上限額4000万円(認定住宅は5000万円)を超えた額も対象とはなりません。

次に二面の記入です。一面で書いた「住宅借入金等の年末残高の合計額」を転記し、利用する特例や居住年が該当する欄で計算します。通常は一番上の欄に記入します。この結果を一面に戻って「住宅借入金等特別控除額」へ転記します。


二面の記入方

二面の記入方法



この「住宅借入金等特別控除額」の数字を「確定申告書A」に転記することになります。最後に、「控除証明書の要否」の欄の「要する」にマルをしておけば、翌年以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。

なお、連帯債務がある場合には、「(付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」も必要になります。

2.「確定申告書A」を記入する

勤務先からもらった源泉徴収票を準備し、該当する項目にそれぞれ転記していきます。

確定申告書A

確定申告書A

・「収入金額等」の「給与」
・「所得金額」の「給与」と「合計」
・「所得から差し引かれる金額」の「6から15までの計」と「合計」
・「税金の計算」の「課税される所得金額」、上の21に対する税額

ここまでは源泉徴収票の数字をそのまま記載します。
そして、24の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」の欄に、計算書に記載した金額を記入します。
このあとは、太枠の項目を順番に計算して埋めて行きます。

・32の「差引所得税額」は22から24の住宅ローン控除の額を差し引きます。
・34の「再差引所得税額を記入(災害減免額がなければ、32の額と同じ)
・35の「復興特別所得税」を計算して記入
・36の「所得税及び復興特別所得税の額」が、住宅ローン控除後の所得税となります

・38の「所得税及び復興特別所得税の源泉領収税額」は源泉徴収票から転記。

最後に、36から38を差し引いて、40の「還付される税金」の欄に記入。これが戻ってくる所得税となります。

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 確定申告書Aの二面の書き方

二面には明細を記入します。
右上の所得から差し引かれる金額に関する事項の社会保険の種類には、「源泉徴収票のとおり」と記入すればOKです。ほかに該当する項目があれば、記入しましょう。

右下の特例適用条文等の欄には、「平成27年10月31日居住開始」というように、居住開始の年月日を記入します。

3.書類の仕上げをする

「確定申告書A」に、還付される税金を受け取る口座を記入し、「住宅借入金等特別控除の計算明細書」「確定申告書A」とも住所、氏名、生年月日、電話番号などを記入します。捺印も忘れずに行ってください。ネットで書類を作成した場合は、印刷すれば、それが申告書類になります。

確定申告は今回限りという場合は、翌年以降送付不要の欄に○をすれば、確定申告書類が送られてきません。常に医療費控除などで確定申告をしている人は○をすれば、翌年は現住所に書類が郵送されてきます。

そして、源泉徴収票を添付書類台紙に貼り付けて、申告書類の出来上がりです。その他の書類は、申告書に貼り付けたりせず、申告書と一緒に提出します。

提出は郵送でもOK

提出先は住まいを管轄する税務署になるので、国税庁のサイトなどで確認しましょう。提出方法は、以下の3つです。

●直接持参する
自分の居住地を管轄する税務署に直接持参する方法です。税務署が開庁しているのは、基本的には平日のみ。通常は、申告書を受け付けるのみで、内容の確認はしません。一部の税務署では、相談コーナーを設けており、提出前に間違いがないか、書類の不備はないかをチェックしてもらうこともできます。

●郵送する

直接税務署に出向かずとも、郵送することでも提出は可能です。郵送する場合で、申告書の控えに収受日付印の押印を希望する場合には、自分の宛名を書き、必要な金額の切手を貼付した返信用封筒を、必ず同封してください。

●e-Taxで申告する
e-Taxは申告書等を電子データの形式でインターネットを通じて送信するものです。手続きをするには、電子証明書の取得・登録やICカードリーダライタが必要になるなど、事前準備が必要です。e-Taxでの申告は、添付書類の提出が省略できる、還付がスピーディというメリットがあります。

提出期限は3月15日まで(2016年は3月15日まで)です。提出後、書類の不備など問題がなければ、受け付け順に税金が還付されるので、早めに申告をすれば、早く還付も受けられます。