眺めのいい母の部屋
1. 南側のバルコニーから光と風が入り込む。 2. オレンジ色の壁紙のダイニング・キッチン。 3. 淡いクリーム色の壁紙の寝室。 4. 寝室から直接中庭に出ることができる。 5. 1階の青い壁紙の収納部屋。天井の照明は建築家の弟のオリジナルデザイン。 |
母親の住む部屋は、1階が中庭に面した寝室、2階がバルコニーのあるリビングになっています。共に淡い暖色系の壁紙で包まれたインテリアです。これらの壁紙は、「ドイツ製の壁紙が売れ残っていたため、半端材を安く買い付けたもの」だそうですが、適材適所のデザインによって、実に効果的に使われています。
共にイタリアの建築設計事務所で働いた経験を持ち、渡欧以前からヨーロッパの街並の色彩に魅せられていた鈴木夫妻は、仕事の合間に精力的に各地を見て回ったそうです。その1年間の体験が、今日に至るまでのお二人の活動の基礎になっています。無難なモノトーンの禁欲的なデザインに対して、アンチテーゼを唱える鈴木夫妻のおおらかなデザインは、これからも人々に元気を与え、街並や公共空間を活性化していくことでしょう。
◆建築データと建築家プロフィール