ポイントは人身傷害保険です
さて、話は冒頭の事例に戻ります。この事故でAさんの遺族は、Aさんが加入していた自動車保険の契約内容に応じて、以下の補償について保険金を請求することになります。・ 人身傷害保険
・ 自損事故傷害保険
・ 搭乗者傷害保険
このうち自損事故傷害保険は、(1)自賠責保険の請求権が発生しないこと、(2)人身傷害保険の保険金が支払われないこと、の2つの要件を同時に満たす場合に保険金が支払われることになりますが、一般に、死亡・後遺障害の保険金額が1500~2000万円程度とされていて、対象者が働き盛りの一家の大黒柱であった場合などは、とても十分な補償であるとはいえません。
また、搭乗者傷害保険についても、死亡・後遺障害の保険金額を1000万円程度とする契約が主流となっていますので、やはりここでは人身傷害保険が付いているか否か、また付いていたとして保険金額がいくらで設定されているかが大きなポイントとなります。
運転者の交代は慎重に
人身傷害保険を考えるにあたっては、自損事故のケースも想定して、家族構成や年齢などから、必要とされる保険金額についてじっくりと検討することをおススメします。最近では「無制限」を選択することもできるようになっていますので、保険会社に相談してみてはいかがでしょうか。最後に、友人に運転を代わってもらうというのは、日常よくある光景かと思いますが、万が一のことも考えて、年齢条件や運転者限定特約をはじめ、自動車保険の契約条件をあらかじめしっかりと確認し理解したうえで、慎重に対応してくださいね。