分配型の金融商品は投資家に不利!
日本では分配型の金融商品に人気があります。配当付きの生命保険や分配型投資信託などです。しかし、分配されることは投資家にとって不利なことなのです。安心感や満足感のために分配金を受け取ることは、資産が大きく成長する機会を逃していることと同じです。
単利型の商品で分配金を受け取りながら、受け取った分配金をもう一度投資に回せば複利と同じ結果になると思っている人がいます。しかし、それは少し違います。収益をいったん受け取るということは、所得として課税されているわけですから所得税が控除されます。さらに、再投資する際に再び金融商品を買うとすればそのための購入手数料などのコストがかかります。
複利効果のメリットを受け取りたい人は、分配金の出る商品は避けてください。常に再投資型の商品を選ぶべきです。投資期間中に税金やコストが途中で繰り返しかかることを極力避けているからこそ、単利と複利では結果で大きな差が出ることを知ってください。(ただし、年金で暮らしている人にとって分配型はありがたい商品です。投資期間が短くて大きく殖やす必要のない人には分配型が向いています)
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