資産運用/資産運用をするときの鉄則

投資の基本スキルはセルフ・コントロール!(3ページ目)

人が眉をひそめるような投資法というのはあります。分かっていてもギャンブルのような投資にはまってしまうのはなぜでしょうか?欲求の使い方を間違えると、おのずとワナにはまっていく人間性に注意しましょう。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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下手な考え休むに似たり


感情や欲望のおもむくままに投資をしていても、人生を変えるような結果はでないかもしれません。儲かるときもあれば、損するときもある。そんな不安定な投資行動に満足できている自分がいたとすれば、その満足の奥に潜む自己欺瞞(自分を自分でだましている)のワナに気がついてください。

最後に、おもしろいデータをお見せします。
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アセットアロケーション政策要因とは株と債券の購入比率や株式の市場別分散比率などが収益に与えた影響、組み入れ銘柄要因とは銘柄選択の巧拙が与えた影響、タイミング要因とは売り買いのタイミングが収益に与えた影響をいう。アメリカの年金運用に対する長期間の調査から得られた貴重なデータです。

これは、アメリカの経済学者の研究により明らかになったことですが、日本の個人投資家の直感からはとても意外な結果です。投資での勝因の9割以上が資産配分(アセットアロケーション)だというのです(もちろん、長期投資の場合のことですが)。ちまたで言われている売買のタイミングや銘柄選択が収益に与える影響は1割もないのです。

この法則を私なりに解釈しますと、長期投資の果実のほとんどは、その投資家の内面(考え方)が決めているといえます。なぜなら、投資で最重要な資産配分とは過去の投資情報の統計の中から、かなり一般的な形で導き出すことができるものです。つまり、個人差がないということです。すると、問題は平凡ともいえる一般的な資産配分に自分の投資をゆだねる素直さと、長期間にそれを維持し続ける我慢強さと、個人的な思惑や射幸心で勝負しようとしない謙虚さを持っているかということになります。

素直さと我慢強さと謙虚さ、これはまさに人間力です。あるいはセルフコントロールです。長期投資の成果を決めるのは、その人の人間力であるといえそうです。この人間力は、年齢や職業や学歴に関係なく、誰でもがその人なりに磨けるタレントです。

ウオール街の古い格言があります。「株式市場は、自分自身を見出すためには非常に高くつく場所である。」

そうした普遍的な力の上に、経済的な知識や将来に対する読みなどが加わると、もっと儲かる投資になりそうです。投資のための研究と努力が超過収益を生むことは確かです。しかしながら、年率でひとケタの収益率で満足できるほとんどの人たちにとっては、超過収益は不必要なリターンです。

なぜなら、ほとんどの人にとって一番嫌なことは過大なリスクを負うことだからです。最低限のリスクで、豊かな人生を送りたい!そう思える人ならば、投資に対する考え方を整理して、基本的な投資ポリシーを維持しながら、お金を理性的に働かせることが、資産運用にとって必要最低限の必要なことです。
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