投資の世界には、アクテイブとパッシブという二つのカラーがあります。積極派と消極派というか、挑戦的な投資と防衛的な投資です。

個人がパッシブな資金運用をするときにインデックス・ファンドという投資信託を使います。これは、コストが安く、基準価額の変動理由が明白なので、安心して取り組みやすい金融商品です。

しかし、大きな誤解が一つあります。それは、インデックス・ファンドはインデックス(市場平均)に負けないという思い込みです。

インデックスに勝つインデックス・ファンドはない?

写真のタイトル
TOPIXは日本株の平均値を示すインデックス。過去33年で年率約8.5%で上昇してきた。ほとんどの人はこの程度のリターンで十分満足できるはず。
インデックスファンドは、対象とするインデックス(TOPIXやS&P500)とまったく同じ銘柄構成を、みずからのファンド内で再現するなどの方法で、インデックスに沿った運用成果を出すことを目的としています。

ならば、インデックスに勝ちもしないが、負けもしないと考えるかもしれません。しかし、インデックスファンドはそのファンドの運用コストの分だけ、インデックスに負けます。というか、負けて当然なのです。

運用コストとは、信託報酬のことです。インデックス・ファンドの場合は、国内のものでは、0.55~0.78%当たりが一般的で、外国ものではちょっと高くなり、0.735~1.30725%です。

過去3年と5年の実績値を表にしました。

信託報酬の分だけ負けて当然


写真のタイトル
2007年9月末時点での直近の長期リターンを集計してみました。世界株式、欧州株式、日本株式のインデックス・ファンドの実績です。


日本で売られているファンドの中から、3つのインデックスに連動するインデックス・ファンドのリターンの平均値と、インデックスに対する超過リターンの実績です。

■上段 MSCIコクサイ(日本を除く世界株式のインデックス)
■中段 MSCI欧州株
■下段 TOPIX(東証株価指数)

国内株式のインデックスは、5年でも4%程度の負けで済んでいるのは、投資信託の運用が国内に留まっているため、経費が安く上がるからです。海外に分散投資する投資信託では、当然に経費も多くかかり、信託報酬もやや高くなります。その分だけ、負けも大きくなります。

それにしても、外国株ファンドが5年で10%以上も負けているのは意外な結果ではないでしょうか?これは、信託報酬というコストを考えても小さくない負けです。現実に海外の株式インデックスに連動するファンドの運用とは容易なことではないのです。

だからといって、国内の資産だけでポートフォリオを組もう!と考えるのは、早計です。アセットアロケーション理論からいけば、たとえ日本人といえども、日本株に投資できる比率は限られてきます。日本株は世界の中で、リターンが小さくリスクが大きい方のアセットに属しているからです。

インデックスファンドがインデックスに負けようとも、私たちのポートフォリオに外国株を組入れる必要性はなんら変ることはありません。

【関連記事】だから、日本株だけじゃあダメなんだ!

コストが安いからといってパッシブなインデックスファンドを選んで、長期でインデックスにリターンで勝てないとしたら・・・

しっかりコストを払って、インデックスをたっぷり上回る良質のアクテイブ投資信託を選ぶことと、どちらが有利とは簡単に言い切れない問題です。

  ○  ○  ○ 投資信託のバックナンバー ○  ○  ○

やっぱり変だよ!投資信託の買い方選び方
要チェック!投資信託の手数料の仕組み
定年後だからこそ投資信託!
ファンドマネージャーの1日
投資信託の運用報告書を読みこなそう!
4つのPで決まる投資信託の品質
あなたの投資信託は★いくつ?<評価機関>

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。