資産運用/資産運用をするときの鉄則

賢い個人投資家は自分の素直な感情に逆らう(2ページ目)

直感的、本能的に市況に反応していては失敗します。すべての資産を横断的に見た上で、自分が投資する対象を絞り込むというマクロな姿勢を忘れないでください。それは感情を排除するための合理的なプロセスです。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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逆張り投資とは

新賢明なる投資家 上
著者のジェームズ・P・オショーネシーはアメリカで最も優れた金融専門家であり、定量分析の先駆者の1人。「世界の第一人者」「統計のグル」と呼ばれている。
値の下がっているものを買うことを、業界人たちは「逆張り」といいます。

どうして、逆なんでしょう。何が順なのでしょう?

「順張り」とは、上がっているものを買って、下がっているものに嫌気して売ります。つまり、後追いをする人間心理に従うので「順張り」と呼ばれます。「逆張り」とは、自分の素直な感情に逆らうことです。それは、自分をコントロールする投資という意味では、誠に理にかなった投資手法なのです。

ゴルフの話に置き換えると、史上最強といわれたプロゴルファーのベン・ホーガンは、こういっています。「直感と正反対のことをやれば、おそらくパーフェクトに近いスイングが出来上がるだろう」。

つまり、自分の外の世界で起きることに直感的に、本能的に反応していたのでは、本物の資産運用にはならないのです。

目新しい物に動く素人の食指

和牛商法だ、信用取引だ、レバレッジだ、という投資手法は、それがメジャーではない!というただ一点の理由だけで、一般の人の選択肢としては却下されるべきものと私は思います。他にもホテル・ファンドとか、ベトナム株、為替FX、オプション取引、差金決済取引などなど、人が知らないところに宝が埋もれている!とでもいうかのように、マイナーな投資法や投資対象が次から次へと編み出されて、そのカモになる個人が後を絶ちません。

とても悲しいことですし、社会の大きな損失です。

安い資産を探そう!とはいっても、株や債券の銘柄の中には中身もチープなもの(粉飾された企業の株やジャンクボンド)があります。「安物買いの銭失い」とならないよう十分な分散も不可欠です。安ければ良いという安直なアドバイスではないことをわかってください。そして、どうか視野を広くして、真っ当な投資を始めてください。

成功の秘訣は、当たり前のことを当たり前にやり続けることです。

それができずに奇策を弄しようとするのは、自信がないのか横着をしたいからかもしれません。

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